11月に入ると、蛇口から出る水が急に冷たくなります。10月までは気にならなかったベランダの掃除も、窓拭きも、急に腰が重くなる時期です。そのうえ12月には年末の大掃除が控えています。
結論から言うと、11月の家事は「水を使う掃除を先に片づける」「暖房と加湿器を使いながら手入れする」「12月に残す作業を減らす」の3つに集約されます。この記事では、11月にやるべき家事を上旬・中旬・下旬に分けて並べ、年末大掃除のうちどこを11月に前倒しし、どこを12月に残すのかまで整理しました。全部をやる必要はありません。週末ごとに1テーマだけ決めれば、11月が終わるころには冬の準備がひととおり整います。
11月にやるべき家事の全体像|「冬の運転開始」と「年末の前倒し」
11月の家事には、性格の違う2つの仕事が同居しています。ひとつは暖房・加湿器・こたつを実際に動かし始める「運転開始」の仕事。もうひとつは、冷たい水と外の空気を使う掃除を、寒さが本格化する前に引き受ける「前倒し」の仕事です。
10月が冬に備えて道具を整える準備の月だったのに対して、11月はその道具を使いながら手入れしていく月にあたります。前月にやり残しがある場合は、まず10月分から片づけたほうが順番としてはラクです。


11月の家事は「寒くなる前の最終便」|気温が難易度を決める
11月の家事がやりやすいかどうかは、気温がほぼ決めてしまいます。東京の平年値でいうと、11月の平均気温は14℃前後。上旬はまだ日中に20℃近くまで上がる日がありますが、下旬になると朝の最低気温が10℃を下回る日が出てきます。
この差が家事に効いてきます。気温が下がると、次の3つが同時に起こります。
- 水が冷たくなり、屋外やベランダの水仕事が続かなくなる
- 油汚れが固まり、換気扇やコンロの汚れが落ちにくくなる
- 窓を開けた換気が寒くて短くなり、湿気が室内にたまりやすくなる
11月の家事は「やりたいこと」ではなく「気温が下がると難しくなること」から順に並べるのがコツです。同じ作業でも、上旬にやるか12月にやるかで手間が倍近く変わります。
11月にやることチェックリスト
この記事で扱う家事を一覧にしました。所要時間は目安です。気になるところから見てください。
| 時期 | やること | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 上旬 | 窓・網戸・サッシの水拭き | 1〜2時間 |
| 上旬 | ベランダの床と排水口の掃除 | 30〜60分 |
| 上旬 | 換気扇・レンジフードの油汚れ落とし | 1〜2時間 |
| 上旬 | 庭・玄関まわりの落ち葉集め | 20〜40分 |
| 中旬 | 暖房のフィルター掃除 | 10〜20分 |
| 中旬 | 加湿器のタンク・トレーの洗浄 | 20〜30分 |
| 中旬 | こたつ・ホットカーペットの設置前の床掃除 | 30分 |
| 下旬 | 窓まわりの結露対策(断熱シート・吸水テープ) | 1時間 |
| 下旬 | カーテン・ラグの冬物への入れ替え | 1〜2時間 |
| 下旬 | 冬物アウター・防寒具の点検 | 1時間 |
| 月内 | 年末大掃除の計画づくり | 20分 |
上旬(1〜10日)|水を使う掃除を寒くなる前に終わらせる
11月上旬は、まだ日中の気温が上がる日が残っています。ここでやっておきたいのは冷たい水と外気を使う掃除です。12月に回すと、同じ作業でも手が止まりやすくなります。
窓・ベランダ・排水口は上旬が最後のチャンス
窓掃除は、晴れて風のない日の午前中が向いています。乾きが早すぎると拭き跡が残るため、真夏より11月のほうが実は作業しやすい時期です。ガラス・網戸・サッシのレールをまとめて済ませておくと、下旬からの結露対策がそのまま生きます。
サッシのレールに砂ぼこりが残ったままだと、結露の水を吸って泥のようになり、そこから黒カビが出ます。結露が始まる前にレールを空にしておく、というのが11月上旬に窓を掃除する一番の理由です。

ベランダも同じ考え方です。床のホコリと砂を掃き出し、排水口のゴミを取っておきます。ここを詰まらせたまま冬に入ると、雨や雪解け水があふれて階下に流れることがあります。水を流す作業は、気温が10℃を切ると急につらくなるので上旬向きです。
換気扇の油汚れは気温が下がるほど固まる
キッチンの換気扇は、年末大掃除の定番でありながら、12月にやるのが一番損な場所です。油は温度が下がると固まって粘りが強くなるため、寒い日ほど落ちにくくなります。つけ置きに使うお湯もすぐぬるくなります。
外して洗う範囲、つけ置きのお湯の温度、洗剤の選び方は次の記事にまとめています。シロッコファンかプロペラかで手順が変わるので、始める前に確認しておくと安全です。

落ち葉が排水口をふさぐ前に片づける
落葉が本格化するのは、地域にもよりますが11月から12月にかけてです。庭や玄関まわり、ベランダに落ち葉がたまると、雨のあとで濡れて重くなり、乾いた状態より格段に片づけにくくなります。
- 乾いている日にまとめて集める。濡れた落ち葉は熊手が滑って効率が落ちます
- 砂利の上の落ち葉は、熊手より送風タイプの道具か、ちりとりで面ごとすくうほうが速いです
- 雨どい・側溝・ベランダの排水口は、見えるゴミだけでなく金網の下も確認します
- 集めた落ち葉の出し方は自治体で分かれます。可燃ごみか、庭木の枝葉として別扱いかを確認してください
上旬の掃除は、どれも「寒くなると手間が増える」ものばかりです。お湯の温度の使い方や、冬に落ちにくくなる汚れの見分け方は、掃除に絞ってまとめた記事があります。

中旬(11〜20日)|暖房・加湿器は「使いながら」手入れする
11月中旬は、多くの家庭で暖房が本格的に動き出す時期です。10月に試運転を済ませてあっても、使い始めてからの手入れは別の仕事になります。ここを飛ばすと、電気代とにおいの両方で損をします。
暖房のフィルターは2週間に1回が目安
エアコン暖房のフィルターは、多くのメーカーが2週間に1回程度の清掃を目安として案内しています。ホコリが詰まると風量が落ち、設定温度に届くまで運転が長引くため、消費電力が増えます。
掃除機でホコリを吸い、汚れがひどければ水洗いして完全に乾かしてから戻します。濡れたまま戻すとカビとにおいの原因になります。ファンヒーターの場合は、背面のフィルターと、灯油タンクの底にたまった水分・ゴミの確認が中心です。
- 電源プラグとコードに焦げ・割れがないかを見ます。傷んだコードはそのまま使わないでください
- 石油ストーブ・ファンヒーターは、昨シーズンの灯油が残っていたら使い切らずに処分します。変質した灯油は不完全燃焼や故障の原因になります
- 開放型のストーブやファンヒーターを使う部屋では、1時間に1〜2回の換気を守ってください。燃焼で水蒸気も出るため、結露も増えます
- 暖房器具の周囲に洗濯物やカーテンがかからない配置にします。乾かすつもりの部屋干しほど距離が近くなりがちです
なお、掃除をしても暖かい風が出ない、設定温度まで上がらないという場合は、フィルターの問題ではないことがあります。年数によっては修理と買い替えの分かれ目に入っているので、判断の目安は次の記事を参考にしてください。


加湿器はタンクのぬめりと水垢がたまる
加湿器は、10月に一度洗ってあっても、使い始めると汚れ方が変わります。タンクの内側にはぬめりが、トレーやフィルターには水道水由来の白い水垢が出てきます。放っておくと加湿量が落ち、においが出ることもあります。
基本は給水のたびに水を入れ替えることです。継ぎ足しはしません。そのうえで、週に1回程度は次の手順で洗っておくと安定します。
本体を分解する前に必ず止めます。取扱説明書で「洗える部品」がどれかも確認してください。機種によって外せる範囲が違います。
1/3ほど水を入れてふたを閉め、振ってすすぎます。ぬめりが取れないときは、やわらかいスポンジで届く範囲をこすります。口が狭い機種は無理に手を入れないでください。
トレーやフィルターの白い付着はカルキ由来なので、水に溶かしたクエン酸に30分ほど浸けると落ちやすくなります。塩素系の洗剤(カビ取り剤・漂白剤など)と混ぜると有毒な塩素ガスが発生する危険があるため、絶対に混ぜないでください。使う洗剤は説明書の指定に従ってください。
洗剤やクエン酸が残らないように流します。水気を拭いて乾かしてから戻すと、次の汚れが付きにくくなります。
こたつ・ホットカーペットは敷く前に床を乾かす
こたつやホットカーペットを出す前に、敷く場所の床を掃除して乾かしておきます。フローリングに湿気が残ったままカーペットで覆うと、空気が動かないぶん、そこだけ湿った状態が続きます。
- 床を掃除機がけしてから、固くしぼった雑巾で拭き、完全に乾かしてから敷きます
- こたつ布団と敷きパッドは、しまう前に洗ってあっても一度干してから使います
- ホットカーペットのコードは、折り目が付いた部分に負荷がかかります。強く折り曲げたまま家具の下に通さないでください
- シーズン中も月に1回はめくって、床側の湿気とホコリを確認します
下旬(21〜30日)|結露が始まる前に窓まわりを整える
11月下旬になると、朝の最低気温が10℃を下回る日が出てきます。室内を暖めるほど内外の温度差が広がるので、結露はこの時期から本格化します。出てから慌てるより、下旬のうちに窓まわりを整えておくほうがラクです。
結露は「出てから拭く」より先手が効く
結露は、室内の湿気の量と、窓が冷える度合いの組み合わせで起きます。つまり打てる手は湿気を減らすか、窓の表面温度を上げるかの2方向しかありません。11月下旬にやっておくと効くのは次の3つです。
- 窓に断熱シートを貼る(ガラスの種類によっては熱割れの恐れがあるため、製品の対応表を必ず確認)
- サッシの下枠に吸水テープを貼る(貼りっぱなしにせず、シーズン中に交換する前提で)
- 寝室と北側の部屋に、朝の換気を組み込む(起きたらカーテンを開けて5分ほど空気を入れ替える)
どの対策がどれくらい効くのか、押入れや家具の裏など窓以外の場所はどうするのかは、次の記事に効果と手間の順で整理しています。

厚手のカーテン・ラグに入れ替える
カーテンとラグの入れ替えは、見た目の問題だけではありません。窓からの冷気は足元にたまるので、床までの丈があるカーテンに替えるだけで体感が変わります。ラグも同様に、床からの冷えを弱めます。
入れ替えるときは、外した薄手のカーテンを洗ってからしまいます。夏のあいだに付いたホコリと皮脂をそのまま半年しまうと、次に出したときに黄ばみとにおいが出ます。洗濯表示を確認し、洗えるものはネットに入れて洗い、脱水を短くしてレールに吊って乾かすとアイロンがほぼ不要になります。
冬物アウターと防寒具を点検する
10月に衣替えの本体を済ませていても、真冬用のアウターとマフラー・手袋・ニット帽は、まだ箱の中というご家庭が多い時期です。使う直前ではなく、11月下旬に点検しておくと慌てずに済みます。
- コート・ダウンは風を通してから着ます。しまい込んだにおいは、陰干しで抜けることが多いです
- ボタンのゆるみ、ファスナーの動き、裏地のほつれを先に見ます。直すなら混み合う前の11月が有利です
- クリーニングに出すなら下旬までに。12月は繁忙期で日数がかかります
- 子どもの防寒具はサイズが変わっています。手袋と長靴は先に足を入れて確認してください
夏物をしまう側の手順と、冬物を出すときの防虫剤の置き方は、10月の衣替えの記事にまとめてあります。まだ途中のものがあればこちらを先に。

11月の衣替えは点検だけで終わりません。真冬物をどこまで出すか、増えた冬物でクローゼットが足りなくなったときにどう振り分けるかは、別の記事にまとめています。

11月にやる「年末大掃除の前倒し」|12月に何を残すか
年末の大掃除がつらいのは、量が多いからではなく寒い時期に寒さと相性の悪い作業が集中するからです。11月にやるべきなのは、その集中を崩しておくことです。

11月に片づける場所/12月に残す場所
分け方の基準はひとつだけです。冷たい水を使うか、窓を開ける必要があるか。これに当てはまる場所を11月に寄せ、当てはまらない場所を12月に残します。
| 11月に前倒しする場所 | 理由 | 12月に残す場所 |
|---|---|---|
| 窓・網戸・サッシ | 水を使い、拭くあいだ窓を開ける | 冷蔵庫の整理 |
| ベランダ・排水口 | 屋外で水を流す | 玄関・たたきの拭き上げ |
| 換気扇・レンジフード | 油は気温が下がると固まる | 床のから拭き・ワックスがけ |
| 浴室の天井・壁 | 洗い流しに時間がかかる | 棚・収納の中の整理 |
| 庭・玄関まわりの落ち葉 | 濡れると重くなる | 照明・カーテンレールのホコリ取り |
右側に並ぶのは、室内で完結して、寒くても手が止まらない作業です。ここだけ12月に残しておけば、年末の作業量は半分近くまで落ちます。
大掃除の計画は11月に立てる
計画といっても難しいことはしません。紙かスマホのメモに、次の3つを書き出すだけで十分です。
- 今年やらない場所を決める。全部やろうとするから崩れます。去年きれいにしたまま保てている場所は外して構いません
- 買い足すものを先に洗い出す。ゴミ袋、使い捨て手袋、洗剤の残量、フィルターの替え。12月は売り場も混みます
- 人手と業者が要る作業を先に押さえる。エアコン内部の分解洗浄や、高所・不用品の回収は年末に予約が集中します
11月にやる大掃除の準備は、掃除そのものではなく「やらないことを決める」作業です。ここで削っておくと、12月に迷う時間がなくなります。
11月の家事をラクに進めるコツ
11月は、10月に比べて使える時間が短くなる月です。日没が早く、気温も下がるので、同じ段取りでは回りません。時間帯と週末の割り振りを少し変えるだけで、こなせる量が変わります。
日が短い月は「午前中に水仕事」で組む
東京では、11月下旬の日の入りが16時半ごろになります。夕方から窓やベランダの掃除を始めると、途中で暗くなって拭き残しが見えません。気温も日没とともに一気に下がります。
そこで、水と屋外を使う作業は午前中、室内で完結する作業は午後と決めてしまいます。洗濯物やカーテンを乾かすのも午前スタートが有利です。11月は日中でも湿度が下がるので、風のある日なら夕方までにしっかり乾きます。
週末ごとに割り振る段取り
11月の土日はおよそ4〜5回です。1回の週末につき1テーマと決めておけば、平日に予定が入っても崩れません。
- 1週目:窓・網戸・サッシ(晴れた日の午前に)
- 2週目:ベランダ・排水口・落ち葉と、換気扇の油汚れ
- 3週目:暖房のフィルターと加湿器、こたつ・ホットカーペットの設置
- 4週目:カーテン・ラグの入れ替えと、窓の結露対策
- 予備:冬物アウターの点検と、年末大掃除の計画づくり(平日の夜でもできます)
天気に左右される作業を前半に置くのがコツです。雨で流れたときのために、予備の週末を1回残しておくと安心できます。
11月の家事に関するよくある質問
- 10月にやり残した家事は、11月からでも間に合いますか?
-
ほとんどは間に合います。ただし優先順位が変わります。まず暖房器具の動作確認を先にしてください。不具合が見つかったとき、11月ならまだ修理の予約が取れますが、真冬は依頼が集中します。窓・ベランダ・換気扇の水仕事はそのあと、上旬のうちに片づけるのがおすすめです。
- 大掃除は11月にやってしまってもいいですか?
-
問題ありません。むしろ水と外気を使う場所は11月のほうが確実にラクです。ただし全部を11月に寄せると、12月にもう一度ホコリが積もった状態で年を越すことになります。窓・ベランダ・換気扇は11月、冷蔵庫や玄関・床は12月と分けるのが現実的です。
- 結露対策はいつから始めればいいですか?
-
窓が濡れ始める前、11月下旬までに準備を終えておくのが理想です。断熱シートや吸水テープは、窓とサッシが乾いてきれいな状態でないと貼れません。結露が出てから貼ろうとすると、まず拭いて乾かす手間が増えます。先に貼っておくほうが結局は早く済みます。
- 加湿器は毎日洗わないといけませんか?
-
毎日必要なのはタンクの水を入れ替えることで、洗浄そのものは週1回程度が目安です。残った水に継ぎ足すとぬめりが出やすくなるので、給水のたびに一度空にしてすすいでください。フィルターやトレーの手入れ頻度は機種で差があるため、取扱説明書の指定に従うのが確実です。
- 11月に衣替えをするのは遅いですか?
-
遅くはありません。10月に「夏物をしまう」本体を済ませていれば、11月にやるのは真冬用のアウターと防寒具を出す側だけです。10月に手を付けられなかった場合も、最高気温15℃を下回る日が続いてきたタイミングで動けば十分間に合います。
- 忙しくて週末しか動けません。優先順位はどうつけますか?
-
1つだけ選ぶなら窓まわりです。サッシを掃除して結露対策までつなげると、その後の黒カビと拭き取りの手間がまとめて減ります。2つ目を選べるなら暖房のフィルター。10〜20分で終わるのに、電気代とにおいの両方に効きます。
まとめ|11月は冬の入口を整える月
11月の家事は、いま困っていることを解決するものではありません。だからこそ後回しになりやすく、動けた人だけが12月と真冬を軽く過ごせます。
- 上旬:窓・ベランダ・換気扇・落ち葉。冷たい水と外気を使う掃除を先に終わらせる
- 中旬:暖房のフィルターは2週間に1回、加湿器は給水のたびに水を替えて週1回洗う
- 下旬:結露が出る前に断熱シートと吸水テープ。カーテンとアウターを冬仕様に
- 月内:年末大掃除は「やらない場所」を決めて、12月に室内の作業だけを残す
全部をやろうとしなくて大丈夫です。週末ごとに1テーマだけ決めて動けば、11月が終わるころには冬の準備がひととおり整っています。
まずは今週末、晴れた日の午前に窓とサッシのレールを掃除してみてください。20分の作業ですが、下旬に結露が出始めたときの手間がはっきり変わります。
