デスクの下やテレビの裏をのぞくと、黒いケーブルが絡み合っている。掃除機をかけるたびに引っかかる。そんな状態を「いつか片付けよう」と思ったまま、何年も過ごしていませんか。
ケーブルの収納がうまくいかない理由は、収納グッズを買うところから始めてしまうことにあります。順番を変えるだけで、じつは手持ちのもので大半が片付きます。
ケーブル収納は「減らす → まとめる → 隠す」の順番。グッズを買うのは2番目からで十分です。
この記事では、片付ける前の仕分けから、場所別の収納アイデア、使わない予備ケーブルの保管方法、そして安全面の注意点までをまとめました。
ケーブルの収納は「減らす→まとめる→隠す」の3ステップ
結論からお伝えすると、ケーブル収納は3つのステップを順番に進めるのが近道です。多くの人がいきなり「隠す」から始めてしまい、結果として中身がぐちゃぐちゃのケーブルボックスができあがります。

ステップ1:使っていないケーブルを減らす
まず取りかかるのは、本数そのものを減らす作業です。今つながっているケーブルのうち、実際に使っているものは意外と少ないもの。使っていない機器の電源コード、もう持っていない端末の充電ケーブル、こうしたものが半分近くを占めているケースもあります。
本数が減れば、それだけで見た目の印象は大きく変わります。まとめる手間も隠す場所も、少ないほうがラクになるからです。
ステップ2:使うケーブルを束ねる・ラベルをつける
残ったケーブルは、長さを整えて束ねます。ここで大事なのが、束ねると同時にラベルをつけること。ラベルがないと、あとで1本抜きたいときに全部たどる羽目になります。
束ねる道具は100円ショップでそろいます。結束バンドのような使い捨てタイプより、繰り返し使える面ファスナー(マジックテープ)タイプのほうが、あとの手直しがきくのでおすすめです。
ステップ3:見えない場所に隠す・浮かせる
最後に、まとめたケーブルを視界から外します。ポイントは「隠す」だけでなく「浮かせる」も選択肢に入れること。床に置いたままだと、掃除のたびに動かすことになり、ホコリもたまりやすくなります。
デスクなら天板の裏、テレビ裏なら壁沿い。床から離すだけで、掃除のしやすさが大きく変わります。
- 減らす:そもそもの本数を半分にする
- まとめる:1本ずつを識別できる状態にする
- 隠す:視界から外し、掃除しやすくする
ケーブル収納を始める前の準備|全部抜いて仕分ける
収納作業でいちばん差がつくのが、この準備段階です。つながったまま整理しようとすると、どうしても「触らずに残す」ケーブルが出てきます。思い切って一度リセットするほうが、結果的に早く終わります。
まず写真を撮ってから全部抜く
抜く前に、スマホで配線の状態を撮影しておきましょう。テレビとレコーダーのように、どの端子にどのケーブルが刺さっていたか分からなくなる機器があるからです。
撮るのは全体写真だけでなく、端子まわりのアップも数枚。戻すときの安心感がまるで違います。
全体像と、機器の背面(端子部分)をアップで撮ります。
機器の電源を切り、電源プラグから順に抜いていきます。
抜いたケーブルを床に広げ、次項の3つに分けます。
使う・使わない・処分の3つに仕分ける
広げたケーブルを、次の3グループに分けます。迷ったものは「使わない」に入れて構いません。あとで必要になれば取り出せばよいだけです。
| グループ | 基準 | 行き先 |
|---|---|---|
| 使う | 今つないでいる機器で日常的に使う | 束ねて元の場所へ |
| 使わない | 今は使わないが、機器は手元にある | 袋分けして引き出しへ |
| 処分 | 対応する機器がもうない・断線している | 自治体のルールで処分 |
何のケーブルか分からないものの見分け方
仕分けで必ず出てくるのが「何用か分からないケーブル」です。端子の形を見れば、ある程度は絞り込めます。
- USB Type-C:楕円形で上下の向きがない。近年のスマホ・タブレット・ノートPCで広く使われる
- USB Type-A:おなじみの平たい長方形。パソコンや充電器の差し込み口側
- HDMI:台形に近い形。テレビとレコーダー、ゲーム機の接続に使う
- LAN(RJ45):電話線に似た四角い爪付き。有線インターネット用
- 丸型のDCプラグ:ルーターや外付けHDDなど、機器専用の電源
とくに丸型のDCプラグは機器ごとに電圧が違うため、他の機器に流用するのは避けてください。形が同じでも中身は別物です。
使うケーブルをまとめる方法|100均でできる束ね方
まとめる作業は、道具を使い分けるだけで仕上がりが変わります。すべてを結束バンドで固定してしまうと、機器を入れ替えるたびに切る手間がかかるためです。
面ファスナー(マジックテープ)で長さを調整して束ねる
余った長さをまとめる場面では、面ファスナータイプの結束ベルトが扱いやすい選択肢です。100円ショップやホームセンターで手に入り、何度でも留め直せます。
束ねるときは、きつく締めすぎないのがコツ。ゆとりを持たせて、輪の形が保てる程度にとどめます。
ケーブルクリップでデスクの縁に固定する
充電ケーブルのように抜き差しするものは、デスクの縁にクリップで固定すると使いやすくなります。床に落ちた先端を毎回拾い上げる、あの小さなストレスがなくなります。
粘着タイプのクリップは、貼る前に設置面のホコリと油分を拭き取っておくと、剥がれにくくなります。
ラベリングで抜き差しの迷いをなくす
束ねたケーブルには、必ず名前をつけましょう。専用のケーブルタグでなくても、マスキングテープに油性ペンで書けば十分です。
書く位置は、プラグから10cmほどのところ。奥まで手を入れなくても確認できる位置が使いやすくなります。
| 道具 | 向いている用途 | 付け外し |
|---|---|---|
| 面ファスナーベルト | 余った長さをまとめる | 何度でも可 |
| 結束バンド | 動かさない配線の固定 | 切って外す |
| ケーブルクリップ | 抜き差しするケーブルの定位置づくり | 貼り付け式 |
| マスキングテープ | ラベリング | 書き直し可 |
場所別のケーブル収納アイデア
ケーブルの悩みは場所ごとに性質が違います。デスク周りは本数の多さ、テレビ裏は太さと重さ、充電コーナーは抜き差しの頻度が課題になります。それぞれに合った方法を見ていきましょう。

デスク周り:天板裏トレー+ケーブルボックス
デスクは本数が多く、しかも毎日目に入る場所です。基本の考え方は、電源タップとケーブルの余りを天板の裏側に集めること。
天板裏に取り付ける配線トレーを使えば、電源タップごと持ち上げられます。床に何も置かなくなるため、掃除機がそのまま通せるようになります。
トレーを買わない場合は、ワイヤーネットと結束バンドで代用する方法もあります。天板の裏に固定し、そこにタップを留めるだけの簡単な作りです。
テレビ裏:配線モールと結束で床から浮かせる
テレビ裏は太いケーブルが多く、無理に曲げると負担がかかります。ここでは束ねるより「壁沿いに走らせる」ほうが向いています。
配線モールを壁の下部に貼り、その中を通せば、床を横切る線を減らせます。テレビボードの背面に沿わせて上下に走らせるだけでも、正面からの見え方は変わります。
充電コーナー:充電ステーションにまとめる
スマホやワイヤレスイヤホンの充電は、家の一角に集約すると管理がラクになります。「充電するならここ」と決めるだけで、リビングのあちこちにケーブルが散らばる状態を防げます。
電源タップとケーブルをまとめて入れられるケーブルボックスを置き、フタの隙間から充電ケーブルの先端だけを出す形が定番です。ボックスの上にスマホを置けるタイプなら、置き場所も一緒に決まります。
寝室・ベッド周り:長さを短くして足元に垂らさない
ベッド周りは、長さそのものを見直したい場所です。枕元まで届く長いケーブルは、寝返りで巻き込んだり、床に垂れてつまずいたりする原因になります。
ベッドフレームやサイドテーブルにクリップで固定し、必要な長さだけを出しておく。余った分は面ファスナーでまとめておけば、足元に垂れる線を減らせます。
使わないケーブルの保管方法|絡まらない収納
仕分けで出た「使わないケーブル」の保管は、意外と見落とされがちです。引き出しにまとめて放り込むと、次に開けたときには塊になっています。ひと手間かけておけば、この事態は防げます。
8の字巻きで断線と絡まりを防ぐ
ケーブルを同じ向きにぐるぐる巻くと、内部にねじれがたまっていきます。これを避けるのが8の字巻きです。時計回りと反時計回りを交互に繰り返して巻く方法で、音響や映像の現場でも使われています。
手順はシンプルです。片手にケーブルの端を持ち、もう片方の手で輪を作る。次の輪は逆向きにひねって作る。これを繰り返すだけです。
短い充電ケーブルなら、そこまで気にしなくても問題ありません。1m を超える長めのケーブルほど効果がはっきり出ます。
1本ずつ袋分け+中身をラベルに書く
巻いたケーブルは、1本ずつジッパー付きの保存袋に入れます。袋の表面に「iPhone用 充電 1m」のように書いておけば、探すときに袋を開ける必要がありません。
袋を立てて並べられる仕切りケースに入れると、上から見て一覧できる状態になります。書類用のファイルボックスに袋を立てて入れる方法でも同じ効果が得られます。
- 8の字巻きでねじれをためない
- 1本1袋にして、絡まる余地をなくす
- 袋に用途と長さを書き、開けずに探せるようにする
- 立てて並べ、上から一覧できる状態にする
処分の判断基準と捨て方
保管し続けるかどうかは、次の基準で判断できます。
- 対応する機器を手放している
- 被覆が破れている、芯線が見えている
- 差し込んでも接触が悪く、機能しない
- 同じ規格のケーブルを何本も持っている
ケーブル類の分別区分は自治体によって異なります。小型家電回収ボックスの対象としている自治体もあれば、金属ごみや不燃ごみに分類する自治体もあります。お住まいの自治体のごみ分別ページで確認してから出してください。
ケーブル収納で気をつけたい安全のポイント
収納の見た目を優先するあまり、電気製品として無理のある状態にしないことも大切です。難しい話ではなく、押さえるべき点はいくつかに絞られます。
きつく束ねない・熱がこもる場所に押し込まない
コードを強く締めて束ねたり、急な角度で折り曲げたりすると、内部の導線に負担がかかります。断線や被覆の傷みにつながるため、束ねるときはゆとりを持たせてください。
ケーブルボックスに詰め込むときも同様です。ぎゅうぎゅうに押し込まず、余裕のある量にとどめておきましょう。
コンセント周りのホコリを定期的に取る
差しっぱなしのプラグとコンセントの隙間にホコリがたまると、トラッキング現象の原因になります。これはホコリが湿気を含むことで電気が流れ、発火に至るおそれがある現象です。
家具の裏など、目に触れない場所ほど注意が必要になります。年に数回、掃除のタイミングでプラグを抜き、乾いた布でホコリを拭き取る習慣をつけておくと安心です。
ケーブルボックスを使うときの注意
ケーブルボックスは便利ですが、フタを閉めるため内部に熱がこもりやすい構造でもあります。次の点を確認しておきましょう。
- 電源タップの定格容量(合計1500Wなど)を超える機器をつながない
- 通気口のあるタイプを選び、ふさがないように置く
- カーテンや布のそばを避け、熱が逃げる場所に置く
- ときどきフタを開けて、内部にホコリがたまっていないか確認する
また、タコ足配線で電源タップにさらに電源タップをつなぐ形は避けてください。容量の管理が難しくなるためです。
ケーブル収納と一緒にやりたい片付け
ケーブルを整理すると、その周辺の収納も見直したくなるものです。デスク周りや引き出しの中身も、同じ「減らす→まとめる→隠す」の考え方でととのえられます。


よくある質問
- ケーブル収納グッズは100均のもので足りますか?
-
面ファスナーベルト、ケーブルクリップ、ジッパー付き保存袋、マスキングテープといった基本の道具は100円ショップでそろいます。天板裏の配線トレーやサイズの大きいケーブルボックスは、専門メーカーの製品のほうが選択肢が広くなります。
- 賃貸でも壁に配線モールを付けられますか?
-
はがせるタイプの粘着材を使う、マスキングテープを下地に貼ってからモールを貼るといった方法があります。長期間貼ると下地ごと傷むことがあるため、目立たない場所で試してから広げるのが安心です。契約内容によっては制限がある場合もあるので、確認しておくとよいでしょう。
- ケーブルを束ねると熱を持ちませんか?
-
きつく束ねた状態や、通気の悪い場所に詰め込んだ状態では熱がこもりやすくなります。ゆとりを持たせて束ね、通気のある場所に置くようにしてください。とくに延長コードは、巻いたまま高出力の機器に使うと発熱の原因になります。
- 使っていないケーブルはどれくらい取っておくべきですか?
-
対応する機器が手元にあるものだけを残すのがひとつの目安です。機器を手放したケーブル、断線しているケーブルは残しておいても出番がありません。判断に迷うものは半年ほど保管し、使わなければ処分する運用が現実的です。
- どこから手をつければいいか分かりません。
-
家全体を一度にやろうとせず、まずはデスク下かテレビ裏のどちらか一か所に絞ってください。1か所終えると手順がつかめるので、次の場所は短時間で進められます。
まとめ
ケーブルの収納は、グッズ選びよりも順番が結果を左右します。使わないものを減らし、残ったものをまとめてラベルをつけ、それから隠す。この流れを守れば、手持ちの道具でも十分にすっきりします。
場所ごとの対策も押さえておきましょう。デスクは天板裏へ集約、テレビ裏は壁沿いに走らせる、充電は一か所に集める、ベッド周りは長さを短くする。それぞれの悩みに合った方法があります。
使わないケーブルは8の字巻きにして1本ずつ袋に分け、用途を書いておく。この習慣だけで、引き出しの中が塊になる事態を防げます。
まずはデスク下かテレビ裏、どちらか一か所から。全部抜いて仕分けるところまで進めば、あとは道具を当てはめていくだけです。
