冷房を使っていたら、エアコンの本体からポタポタと水が垂れてきた。そんなトラブルは梅雨から夏にかけて特に増えます。あわてて拭いても、原因をそのままにしていると何度も繰り返してしまいます。
実は、エアコンの水漏れの多くは「ドレンホースの詰まり」が原因です。そして、その多くは特別な技術がなくても自分で対処できます。この記事では、まず被害を止める応急処置から、原因の見分け方、自分でできる直し方、業者に頼む目安までを順番に紹介します。

水が垂れてきたら、まずは「止める」「拭く」「原因を探す」の順で落ち着いて対応すれば大丈夫ですよ。
エアコンから水が垂れたら、まず最初にやること
水漏れに気づいたら、原因を調べる前に被害の拡大を止めることが先決です。電気製品の水濡れは故障や感電につながるおそれがあるため、初動を間違えないようにしましょう。
対応の順番は、(1)自分と家族の安全、(2)床や家電などの家財、(3)エアコン本体、(4)原因の切り分けです。この順を守るだけで、後片づけの手間も修理の判断もぐっと楽になります。
冷房中のエアコンは、1時間で数百ミリリットルから1リットル前後の水を排出することがあります(気温や湿度によって大きく変わります)。ポタポタと少量に見えても、受け止めずに放っておけば短時間で床が水びたしになる量です。
あわせて、水が本体のどのあたりから落ちているかを目で確かめておきましょう。あとで原因を絞り込むときや、業者に状況を伝えるときにそのまま使えます。




運転を止めて電源プラグを抜く
まずはリモコンで運転を停止します。そのうえで、可能ならコンセントから電源プラグを抜いてください。水が内部の電装部分にかかると、ショートや故障の原因になります。
本体の周りや吹き出し口から水が出ている場合は、無理に運転を続けないことが大切です。
プラグに手が届かない、コンセントのまわりがすでに濡れている、というときは無理に抜こうとせず、分電盤のブレーカーでエアコンの回路を落とします。どの回路か分からなければ、家全体の主幹ブレーカーを切ってから対応しても構いません。
濡れた手のまま、あるいは濡れた床に立ったままプラグに触れるのは避けてください。ゴム手袋があれば着け、足元を拭いてから作業します。
なお、リモコンで停止しても内部にたまっていた水はしばらく落ち続けます。止めた直後に受け皿を片づけず、水が完全に止まったのを確かめてから次の作業に移りましょう。
水を拭き取り、床や家具を養生する
垂れた水はすぐに拭き取り、エアコンの下にタオルや新聞紙、バケツなどを置いて受け止めます。フローリングや家具に水が染み込むと、シミやカビの原因になります。
壁紙やコンセント周りが濡れている場合は、特に念入りに乾かしておきましょう。
受け止めに使う容器は、底が広くて浅いものが向いています。大きめのバットや衣装ケースのふた、ペット用のトレーなどが使いやすく、口の狭いバケツは垂れる位置が少しずれると受け損ねます。下にゴミ袋やレジャーシートを敷き、その上にタオルを重ねると、はねた水も吸い取れます。
真下に家電や延長コードがあるなら、拭くよりも先にどかしましょう。水がかかったものは電源を入れず、プラグを抜いた状態で乾かしてください。
床材によって、急ぎ具合が変わります。フローリングは継ぎ目から水が入ると板が反るため、乾いた布で押さえるように拭いてから、扇風機やサーキュレーターで風を当てます。畳やカーペットは、タオルを当てて上から体重をかけ、含んだ水を吸い出してから乾かします。
集合住宅で、水が壁づたいに広がっている・下の階に染みているおそれがあるという場合は、拭き取りと並行して管理会社や大家さんへ連絡します。連絡の前に濡れた範囲の写真を撮っておくと、状況が正確に伝わります。
冷房を弱めると一時的に軽減できることがある
すぐに原因を直せないときの一時しのぎとして、設定温度を上げて冷房の効きを弱める方法があります。冷えすぎによる結露が原因の場合、水の量を減らせることがあります。
目安は、設定温度を26〜28℃くらいまで上げることです。あわせて風量は「弱」ではなく「自動」か強めにします。風量が弱いままだと熱交換器が冷えすぎて、かえって結露や氷結を招くことがあります。
それでも部屋が暑くて我慢できないときは、受け皿を置いたまま短時間だけ運転し、扇風機を併用して体感温度を下げます。熱中症のリスクを冒してまで冷房を止める必要はありません。
ただし、水漏れと同時に異音がする、焦げたようなにおいがするというときは、弱めて使い続ける判断自体が危険です。すぐに運転を止めて電源を切り、業者へ連絡してください。
応急処置の3ステップ
- 運転を止めて電源プラグを抜く
- 水を拭き取り、床・家具を養生する
- 原因が分かるまで、冷房は弱めるか止めておく
エアコンから水が垂れる主な原因
エアコンの水漏れには、いくつかの代表的な原因があります。多い順に切り分けていくと、自分で直せるかどうかの判断がしやすくなります。次の表で全体像をつかんでおきましょう。
| 原因 | 起こりやすさ | 自分で対処 |
|---|---|---|
| ドレンホースの詰まり・逆流 | 最も多い | できることが多い |
| ホースの位置・たるみ・先端の高さ | 多い | できる |
| フィルター・熱交換器の汚れ | ときどき | 掃除で対応 |
| 本体の傾き・取り付け不良 | まれ | 業者向き |
表は上から順に、起こりやすい原因です。まずはドレンホースまわりから確かめ、当てはまらなければ次の行へ進むと無駄がありません。原因が2つ重なっていることもあるため、1つ手当てしても止まらないときは次の候補に移ります。


【最も多い】ドレンホースの詰まり・水の逆流
エアコンは、室内の空気を冷やすときに出る水(結露水)を、ドレンホースという細い管を通って屋外に排出しています。このホースの中にホコリや汚れがたまって詰まると、水が外に流れず室内機側へ逆流し、本体から水が垂れてしまいます。
ホースの先端から虫や落ち葉が入り込んで詰まることもあります。水漏れの原因として最も多いのが、このドレンホースのトラブルです。
詰まっているかどうかを確かめる手順は、直前で紹介した関連記事(原因8つの解説)にまとまっています。この記事では、後述の「自分でできる直し方」で詰まりを解消する方法を説明します。
ホースの位置・たるみ・先端の高さ
屋外に出ているドレンホースの先端が、地面や溝の水に浸かっていると、水がスムーズに流れません。また、ホースの途中が波打つようにたるんでいると、その部分に水がたまって流れが悪くなります。
ホースの先端は、地面から少し離れた位置にあるのが望ましい状態です。
排水は高い所から低い所へ流れる力だけで進むため、途中に上り坂ができると止まります。ホースをたどって、地面に置きっぱなしになっていないか、鉢植えや物置に押しつぶされていないかを見てみましょう。
詰まりを取っても、置き方が同じならまた同じことが起こります。
フィルターや熱交換器の汚れ
フィルターや内部の熱交換器にホコリがたまると、空気の流れが悪くなって冷えすぎが起こり、結露の水が想定以上に発生することがあります。場合によっては内部が氷結し、溶けた水があふれることもあります。
しばらく掃除をしていないなら、まずフィルターの状態を確認してみましょう。
確かめ方は、前面パネルを開けてフィルターを引き出し、光にかざしてみることです。向こう側が透けないほどホコリが詰まっていれば、風が通らず冷えすぎが起きやすい状態といえます。吹き出し口の奥に白い霜や氷が見えるときも、同じ系統のサインです。
本体の傾き・取り付け不良
室内機が水平に取り付けられていないと、排水がうまく流れず水漏れにつながります。取り付け直後から水が漏れる場合や、本体が明らかに傾いている場合は、取り付け不良の可能性があります。
このケースは自分での調整が難しいため、設置した業者やメーカーに相談するのが安全です。
取り付けから日が浅い、模様替えで移設した、といった心当たりがあるときはこの可能性が上がります。壁の下地が弱っていると、年数がたってから本体がわずかに傾くこともあります。
傾きが原因なら掃除では直りません。ホースを手当てしても改善しないときの候補として、頭の片隅に置いておきましょう。取り付け工事にかかる費用の目安は、工事費用の記事が参考になります。


自分でできる直し方(原因別)
原因の見当がついたら、自分でできる範囲の対処を試してみましょう。多くの水漏れは、ドレンホースまわりの手当てで改善します。作業の前には、必ず電源プラグを抜いておきます。
手を動かす前に、道具と足場を整えておきましょう。必要なのは、ゴム手袋・古いタオル・懐中電灯・水を受けるバケツくらいです。汚れた水が飛ぶので、服装も汚れてよいものにしておきます。
屋外の作業は、明るい時間帯に行います。雨の日は足元が滑るうえ、ホースから出た水なのか雨水なのか見分けがつきません。ホースの先端が2階以上の高さにあり、脚立が必要になる場合は、そこで中止して業者に任せましょう。


ドレンホースの詰まりを抜く
詰まりを解消するには、ホームセンターなどで売っている「ドレン用サクションポンプ」を使う方法が確実です。価格はおおよそ1,000〜3,000円ほどで、ホースの先端に当てて吸い出すことで、詰まったホコリや水を引き出せます。
室外機の近くにある細いホースが、水を排出するドレンホースです。
ホースの口にポンプをしっかり密着させます。
数回くり返すと、詰まっていた汚れや水が出てきます。勢いよく吸いすぎないのがコツです。
専用ポンプがない場合は、掃除機で吸う方法もありますが、水を吸い込むと故障の原因になります。掃除機を使うときは、ホースとの間に布を当てるなど、水が機械に入らない工夫が必要です。
吸い出したあとに地面へ出た汚れた水は、その場で流しておきましょう。そのままにすると、においや虫が寄る原因になります。
掃除機を使う手順や、やりがちな失敗のパターンは、ドレンホース掃除の記事でくわしく紹介しています。


ホースの先端の高さ・たるみを直す
ホースの先端が水たまりや地面に浸かっているなら、少し持ち上げて水から離します。たるんでいる部分があれば、波打たないように整えて、水が下へ流れるようにします。
ホースが長すぎる場合は、適切な長さにカットして調整すると排水がスムーズになります。
持ち上げた高さを保つには、結束バンドや園芸用の支柱で壁ぎわに軽く留めると安定します。きつく縛るとホースの内側がつぶれて流れが悪くなるので、指が1本入る程度のゆとりを残してください。
先端を切って長さを調整したときは、防虫キャップを付け直すのを忘れずに。切り口が土やコケに触れたままだと、また同じ詰まりを繰り返します。
フィルター掃除で結露や氷結を防ぐ
フィルターのホコリは、掃除機で吸い取るか、水洗いして完全に乾かしてから戻します。フィルターがきれいになると風通しがよくなり、冷えすぎによる結露や氷結を防げます。
内部のカビやにおいが気になる場合は、合わせて確認しておくとよいでしょう。
内部が凍っているときは、無理に運転を続けず、まず止めて自然に溶かします。暖房に切り替えて急いで溶かすと、一度に出た水があふれて床に落ちることがあります。
溶けるまでは受け皿を置いたままにし、水が止まってからフィルターを掃除して乾かします。掃除をしても凍るなら、フィルター以外に原因が考えられるので、電源プラグを抜いて販売店やメーカーの窓口に相談してください。


自分で直せないケースと業者に頼む目安
すべての水漏れを自分で直せるわけではありません。無理に分解すると故障や事故につながるため、線引きを知っておくことが大切です。次に当てはまる場合は、業者やメーカーへの相談を検討しましょう。
連絡先は状況によって変わります。賃貸なら管理会社や大家さん、購入から日が浅いなら購入店やメーカーの修理窓口、取り付け直後の不具合なら工事をした業者が窓口です。それ以外は、地域の電気工事店やエアコンクリーニング業者が候補になります。
自分で試す範囲の見切りも決めておきましょう。同じ手当てを2回試して変化がない、直った翌日にまた漏れる、というときは、そこで切り上げたほうが結局は早く解決します。
こんなときは業者に相談する
- ドレンホースを掃除しても水漏れが止まらない
- 本体の内部から水があふれている
- 取り付け直後から水が漏れる、本体が傾いている
- 水と一緒に油のような汚れが出る、異音がする
- コンセントや配線が濡れて、漏電が心配なとき
連絡してから訪問までに数日かかることもあります。待つあいだは冷房を止め、バケツやタオルは片づけずにそのままにしておきましょう。水の量が増えていないか、においや音が出ていないかを見ておくと、当日の説明もスムーズです。
安全のために:本体内部の分解や、冷媒(ガス)に関わる部分は専門の作業が必要です。感電や故障のリスクがあるため、自分での対応にこだわらず、早めにプロへ相談しましょう。
修理費用のだいたいの目安
修理費用は原因や業者によって幅がありますが、ドレンホースの詰まり解消などの軽い作業であれば数千円程度から、内部の部品交換や取り付け直しが必要な場合はそれ以上かかることもあります。あくまで目安として、複数の業者に見積もりを取ると安心です。
古いエアコンで何度も不具合が出る場合は、修理費用と買い替えを比べて検討するのもひとつの方法です。
見積もりを取るときは、診断だけで終わった場合に料金がかかるか、作業後に同じ症状が再発したときの対応はどうなるか、の2点を確認しておくと安心です。どちらも金額表には載っていないことが多く、あとから食い違いになりやすい部分です。
水漏れを再発させない予防のコツ
一度直しても、原因をつくる汚れがたまればまた繰り返します。日ごろのちょっとした手入れで、水漏れの多くは防げます。シーズンの変わり目にまとめてチェックする習慣をつけましょう。
やることは、(1)フィルターの掃除、(2)ホース先端まわりの点検、(3)シーズン前後の試運転の3つだけです。どれも10分程度で終わります。
水漏れが毎年のように起きる家には、共通点があります。ホースの先端が花壇や砂利の上にある、室外機の周りに落ち葉がたまりやすい、ホースが長いまま地面をはっている、といった環境です。掃除の回数を増やすより、この置かれ方を一度整えるほうが効果が長続きします。
定期的なフィルター掃除とホース点検
フィルターは2週間に1回ほどを目安に掃除すると、結露の水が増えるのを防げます。屋外のドレンホースも、ときどき先端を確認し、ゴミや虫が入っていないかチェックしておきましょう。
先端の点検は、しゃがんで口元を見るだけで十分です。土やコケでふさがっていないか、地面に密着していないかを確かめ、必要なら数センチ浮かせておきます。まわりの草をどけておくと、次の点検も楽になります。
ホースの点検は、冷房を使い始める前と、真夏を越えたあたりの年2回を目安にすると忘れにくくなります。
シーズン前のチェックリスト
本格的に冷房を使い始める前に、次の点を確認しておくと安心です。
- フィルターにホコリがたまっていないか
- ドレンホースの先端が地面や水に浸かっていないか
- ホースに大きなたるみや折れがないか
- 試運転して水漏れや異音がないか
合わせて、シーズンの終わりにも一手間かけておきましょう。最後に送風運転を1〜2時間して内部を乾かしてから止めると、湿ったまま冬を越さずに済みます。
濡れたまま放置された内部は、ホコリとカビが固まって次の詰まりの元になります。使い終わりのひと手間が、翌シーズンの水漏れを減らします。



冷房を使い始める前にひと手間かけておくと、夏の急なトラブルをぐっと減らせます。
よくある質問
- エアコンの右側と左側、どちらから漏れるかで原因は違いますか?
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漏れる位置だけで原因を断定するのは難しいですが、多くの場合はドレンホースの詰まりや排水経路のトラブルが関係しています。まずはホースの状態を確認するのがおすすめです。
- 賃貸住宅でエアコンが水漏れしたら、修理費は誰が負担しますか?
-
設備の経年劣化など借主に過失がない場合は、大家さんや管理会社の負担になることが一般的です。まずは自分で分解せず、管理会社へ連絡して指示を仰ぎましょう。
- ドレンホースを口で吸って詰まりを取ってもいいですか?
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一応できますが、汚れた水を吸い込むおそれがあり衛生的ではありません。1,000円ほどで買えるサクションポンプを使う方が安全で確実です。
- 夜中や外出先で水漏れに気づいたときは、どうすればいいですか?
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夜中であれば、運転を止めてプラグを抜き、受け皿とタオルを敷いて朝まで待ちます。暗い中で屋外のホースを触るのは危ないので、原因探しは翌朝に回してください。外出先で気づいた場合にできるのは、タイマー予約が入っていれば解除しておくことくらいです。留守のあいだに運転が始まって、床がさらに濡れる事態を避けられます。
- 水漏れが止まったあと、どのくらい様子を見れば安心ですか?
-
湿度の高い日に冷房を続けて使い、数日たっても水が落ちてこなければひと安心です。詰まりが少し残っていると、数日後にぶり返すことがあります。1週間ほどは受け皿を敷いたままにしておくと、再発してもあわてずに済みます。もう一度漏れたら、別の原因に切り替えて確かめてください。
まとめ
エアコンから水が垂れる原因の多くは、ドレンホースの詰まりや位置の問題です。まずは運転を止めて水を拭き取り、被害を抑えてから原因を切り分けていきましょう。
この記事のポイント
- 水漏れに気づいたら、まず運転停止と電源プラグ抜き
- 原因で最も多いのはドレンホースの詰まり・逆流
- サクションポンプでの吸い出しやホース調整は自分でできる
- 本体内部や取り付けに関わる不具合は業者へ相談
- フィルター掃除とホース点検で再発を防げる
まず何から始めるか迷ったら、屋外に出てドレンホースの先端を見るところからです。落ち葉や土で口がふさがっていれば取り除き、地面に付いているなら数センチ浮かせます。ここまでは道具なしで、5分あればできます。
それでも水が止まらなければ、サクションポンプでの吸い出しに進みます。2回試して変化がないときは、無理をせず業者に相談してください。
定期的な掃除と点検を心がけて、暑い季節も快適にエアコンを使いましょう。











