テスト中に急にボールペンが書けなくなった。レポートの締め切り直前なのにインクが出ない。こんな経験、一度はあるんじゃないでしょうか?
「インクはまだ残ってるのに、なんで出ないの?」「このペン気に入ってたのに、もう捨てるしかないのかな…」そんなふうに思ったことがある人も多いはず。
でも、ちょっと待ってください。書けなくなったボールペン、実は復活できることがかなり多いんです。この記事では、インクが出なくなる原因をしっかり理解した上で、状況に合った対処法を紹介していきます。原因がわかれば、対処も的確にできますよ。
そもそもなぜ?ボールペンのインクが出なくなる原因
「書けない!」と焦る前に、まずは原因を把握しておきましょう。原因がわかれば、どの対処法を試せばいいかが見えてきます。ボールペンが書けなくなる原因は、大きく分けて5つあります。
ペン先の乾燥やインクの固まり
これが一番よくある原因です。ボールペンのインクは空気に触れると乾燥して固まる性質があります。キャップを閉め忘れたり、ノック式のペン先を出しっぱなしにしていると、ペン先のボール部分でインクがカチカチに固まってしまいます。固まったインクが蓋のようになって、新しいインクの出口を塞いでしまうんですね。
インクの中に空気が入ってしまった
ペン先を上に向けて書いたり、ペン立てに上向きで長時間立てておいたりすると、インクの途中に空気が入り込むことがあります。インクは重力でペン先に流れていく仕組みなので、途中に空気の層ができてしまうと、そこでインクの流れがストップ。ペン先までインクが届かなくなってしまいます。
落とした衝撃でペン先が傷ついた
ボールペンのペン先って、実はものすごく精密にできています。直径1mm以下の小さなボールが、なめらかに回転することでインクを紙に乗せているんです。机から落としたり、床に転がして踏んでしまったりすると、このボールや、ボールを支えている部分が変形してしまうことがあります。そうなるとボールがうまく回らなくなって、インクが出なくなったり、かすれたりします。
紙の繊維やホコリがペン先に詰まった
筆圧が強めの人や、ざらざらした紙(プリントの裏紙とか)によく書く人は要注意。紙の細かい繊維がペン先に詰まって、ボールの動きを邪魔してしまうことがあります。見た目ではわかりにくいですが、これも意外とよくある原因です。
インク自体が古くなって劣化している
あまり知られていませんが、ボールペンのインクにも寿命があります。何年も使わずに放置していたペンは、インクの中の溶剤が蒸発して、インク全体がドロドロに固まってしまうことがあります。「インクは残ってるのに書けない」という場合、このパターンかもしれません。
原因別に試そう!ボールペンを復活させる対処法
原因の見当がついたら、次は対処法です。原因に合わせて効果的な方法を試してみてください。
インクの乾燥・固まりには「温める」
乾燥や寒さで固まったインクは、温めることで柔らかくなり、また流れやすくなります。いくつか方法があるので、状況に合わせて試してみてください。
お湯につける方法(一番おすすめ)
マグカップに60度くらいのお湯を用意します。給湯器のお湯でOKです。熱湯はプラスチック部分が変形する可能性があるので避けてください。
ボールペンの芯(リフィル)を取り出して、ペン先の金属部分だけを2~3分お湯に浸します。
取り出したらティッシュでしっかり水分を拭き取って、いらない紙で試し書きしてみましょう。
ドライヤーを使う方法
お湯を用意するのが面倒なときは、ドライヤーの温風でもOKです。ペン先から10cmくらい離して、数十秒温めてみてください。ただし、温めすぎるとペンが傷むので、触れないほど熱くなる前にストップしましょう。
体温で温める方法
道具が何もないときの緊急手段として、ペン先を指でつまんで温めたり、「ハーッ」と息を吹きかけたりするだけでも多少の効果はあります。授業中やテスト中など、他の方法が使えないときに試してみてください。
空気の混入には「遠心力」で押し出す
インクの途中に空気が入ってしまった場合は、遠心力を使ってインクをペン先に移動させましょう。
まず、インクが飛び散らないようにペン先をティッシュで軽く包みます。
ボールペンの後ろ側をしっかり握って、ペン先を外側に向けた状態で腕を大きく振ります。体温計の目盛りを戻すときみたいなイメージです。
何回か振ると、遠心力でインクがペン先の方に移動して、空気の層を押しのけてくれます。
頑固な詰まりには「溶剤」を使う
お湯で温めても復活しない頑固なインクの固まりには、アルコールなどの溶剤を使う方法もあります。ただし、ペンの素材を傷める可能性があるので、高いペンでは試さないほうが無難です。100均のペンなど、ダメになっても惜しくないペンで試す最終手段だと思ってください。
無水エタノールや、アセトンを含まない除光液を少量ティッシュにつけて、ペン先を優しく拭きます。固まったインクが溶けて、詰まりが解消されることがあります。
インクの種類で対処法が変わる?油性・水性・ゲルの違い
ボールペンのインクには種類があって、それぞれ性質が違います。自分のペンがどのタイプか確認して、より効果的な対処をしましょう。
油性ボールペン
昔ながらのボールペンで、インクの粘度が高いのが特徴です。寒いところで固まりやすいので、「温める」対処法が特に効きます。インクが硬めなので、しっかりした筆圧で試し書きするのも効果的です。代表的な商品だと、三菱鉛筆のジェットストリームがこのタイプ。ジェットストリームは油性の中でもサラサラ書けると人気ですが、基本的な対処法は同じです。
水性ボールペン
サラサラとした軽い書き味が特徴ですが、その分ペン先が乾きやすい傾向があります。水で湿らせたティッシュでペン先を拭く方法も使えますが、インクが薄まる可能性があるので、拭いた後は乾いたティッシュで水分をしっかり取りましょう。
ゲルインクボールペン
油性と水性のいいとこ取りをしたタイプで、発色がきれいなので学生に人気です。ゼブラのサラサクリップやパイロットのジュースなどがこのタイプ。ただ、乾燥や衝撃には弱めなので、「温める」「遠心力を使う」など、いろいろな方法を組み合わせて試してみてください。
100均ペンと高いペン、対処法に違いはある?
結論から言うと、基本的な対処法は同じです。ただ、いくつか知っておくといいポイントがあります。
100均のボールペンは、構造がシンプルな分、温めたり遠心力を使ったりという基本的な対処で復活しやすいことが多いです。万が一ダメになっても金銭的なダメージは小さいので、溶剤を使うような少しリスクのある方法も試しやすいですね。
一方、高級なボールペンや有名メーカーのペンは、精密に作られている分、乱暴な扱いは禁物です。特に、プレゼントでもらった大切なペンなどは、自分であれこれ試すよりも、メーカーや購入店に相談するのが確実です。多くのメーカーは修理や芯の交換に対応してくれます。
学校や自習室でありがちな「書けなくなる」原因
学校生活の中には、ボールペンが書けなくなりやすい場面がけっこう潜んでいます。心当たりがないかチェックしてみてください。
エアコンの風が直接当たる席
夏場の冷房、冬場の暖房、どちらもペンにとっては過酷な環境です。エアコンの吹き出し口の近くに座っていると、筆箱ごと乾燥した風にさらされ続けることになります。ペン先の乾燥が早まるので、こまめにキャップを閉める習慣をつけましょう。
窓際の席で直射日光が当たる
窓際の席は人気がありますが、直射日光がペンに当たるとインクの劣化が早まります。特に夏場は要注意。筆箱はカバンの中にしまうか、直射日光が当たらない場所に置くようにしましょう。
筆箱の中でキャップが外れている
意外と多いのがこれ。筆箱の中でペン同士がぶつかって、キャップが外れたまま放置されているパターンです。たまに筆箱の中を確認して、キャップがちゃんと閉まっているかチェックしてみてください。
冬の寒い教室に長時間放置
冬場、暖房が入る前の教室はかなり冷えます。油性ボールペンは低温でインクが固まりやすいので、朝イチの授業で「あれ、書けない?」となることも。この場合は手で温めれば復活することが多いです。
これだけは絶対NG!やってはいけない復活術
書けないからといって無茶な方法を試すのは危険です。ペンが完全に壊れたり、ケガをしたりする可能性があります。以下の方法は絶対にやめましょう。
ライターの火で炙るのは最も危険な行為です。ペン先が熱で溶けて変形し、インクが漏れ出すことがあります。火傷の危険もあるので、絶対にやめてください。
ペン先を机や壁に叩きつけるのもNGです。精密なペン先は強い衝撃であっという間に壊れます。「ガンガン叩けばインクが出るかも」という発想は、ペンにトドメを刺す行為です。
針やシャーペンの先でペン先をつつくのも避けてください。ボール部分に傷がつくと、紙を破いたり、逆にインクが出すぎたりする原因になります。
復活は諦めて買い替えを検討すべきケース
残念ながら、すべてのボールペンが復活できるわけではありません。以下のような場合は、新しいペンへの買い替えや芯の交換を考えましょう。
ペン先が見るからに曲がっていたり、潰れていたりする場合は、もう元には戻りません。何度か落とした記憶があって、ペン先にダメージが蓄積していそうな場合も同様です。また、この記事で紹介した対処法をひと通り試しても全く改善しない場合は、インク自体の劣化や、内部の損傷が考えられます。
高価なブランドペンや、大切な人からもらったペンは、自分で無理に直そうとせず、メーカーのサポートや購入店舗に相談するのがベストです。
そもそもトラブルを防ぐ!ボールペンを長持ちさせるコツ
対処法を知っておくのも大事ですが、そもそもトラブルを起こさないのが一番ですよね。日頃からできる簡単な予防策を紹介します。
使わないときは必ずペン先をしまうこと。これが基本中の基本です。キャップ式ならキャップを閉める、ノック式ならカチッと戻す。これを習慣にするだけで、ペン先の乾燥はかなり防げます。授業中、ノートを取り終わったらすぐにペン先を収納する癖をつけましょう。
長期間使わないときは横向きで保管するのがおすすめです。ペン立てに上向きで立てておくと、重力でインクが下がって空気が入りやすくなります。夏休みなど長期間使わない期間は、引き出しや筆箱の中で横に寝かせておきましょう。
複数のペンを持っているなら、ローテーションで使うのも効果的です。インクは定期的に動かしたほうが固まりにくいので、お気に入りのペンを何本か順番に使うようにすると、どのペンも長持ちします。
困ったときの応急処置チェックリスト
最後に、「今すぐなんとかしたい!」というときのための応急処置をまとめておきます。テスト中など道具がない状況でも試せる方法なので、覚えておくと便利です。
まずはティッシュや柔らかい布でペン先を拭いてみてください。見た目はきれいでも、目に見えない汚れがボールの回転を妨げていることがあります。ボールを転がすように、くるくる回しながら拭くのがコツです。
次に、いらない紙の上で「ぐるぐる」と円を描き続けてみましょう。少し力を入れて、「の」の字や丸を何度も描きます。固まりかけたインクが押し出されて、書けるようになることがあります。30秒くらい続けても変化がなければ、他の方法を試しましょう。
それでもダメなら、ペン先を指で温めてみてください。体温でインクが少し柔らかくなることがあります。息を「ハーッ」と吹きかけるのも同じ原理です。
まとめ
ボールペンのインクが出なくなる原因は、乾燥、空気の混入、ペン先の損傷、汚れの詰まり、インクの劣化の5つが主なものです。原因がわかれば、温める、遠心力を使う、拭き取るなど、適切な対処法を選べます。
学校生活では、エアコンの風や直射日光、筆箱の中でのキャップ外れなど、ペンにとって過酷な環境が意外と多いもの。日頃からペン先の収納を習慣にして、お気に入りのペンを長く使い続けてくださいね。
