長く使った椅子がグラグラしてきたり、座面がへたってきたりすると「もう買い替えかな」と思ってしまいますよね。でも、症状によっては自分で簡単に直せるケースも多いんです。
この記事では、椅子の修理を症状別に整理しました。自分で直せる範囲と業者に任せたほうがよい範囲、そして業者に頼んだときの費用相場まで、まとめてチェックしていきましょう。
「ぐらつき」はネジの締め直しで直ることが多く、初心者でも挑戦しやすい修理です。まずは症状を見分けることから始めましょう。
椅子の修理、まずは症状を見分けよう
椅子の修理で大切なのは、いきなり道具を買いそろえる前に「どこが、どんなふうに悪いのか」を見分けることです。症状によって、自分で直せるものと業者に任せたほうが安心なものに分かれます。

自分で直せる症状・業者に任せるべき症状の早見表
まずは下の表で、ご自宅の椅子がどのタイプに当てはまるか確認してみてください。難易度はあくまで目安で、椅子の構造や素材によって変わります。
| 症状 | 主な原因 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 脚やフレームがグラグラする | ネジ・接合部の緩み | 自分でできることが多い |
| 座面がへたって沈む | クッション材の劣化 | 軽度なら自分で/本格的は業者 |
| 座面の布が破れた | 生地の経年劣化 | 張り替えに挑戦も可能 |
| 脚に傷・欠けがある | ぶつけ・摩耗 | 補修材で自分でできる |
| 木が割れている・折れた | 構造の破損 | 業者に相談がおすすめ |
| 背もたれがぐらつく | 接合部の緩み・破損 | 程度により業者も検討 |
修理前にチェックする3つのポイント
修理に取りかかる前に、次の3点を確認しておくと判断がしやすくなります。
- 素材:木製・金属・プラスチックで使う道具や接着剤が変わります
- 使用年数:10年以上使っている椅子は、一か所直しても別の場所が傷んでいることがあります
- 愛着・価値:思い入れのある椅子やアンティークは、無理せずプロに相談すると安心です

「直してもまたすぐ壊れそう…」と感じたら、買い替えも視野に入れて考えてみてくださいね。
ぐらつき・ガタつきを自分で直す方法
椅子のぐらつき・ガタつきは、多くの場合ネジや接合部の緩みが原因です。つまり、締め直すだけで直ることも珍しくありません。難しい修理に手を出す前に、まずは基本から試してみましょう。
まずはネジの締め直しから
組み立て式の椅子や、脚がネジで固定されている椅子は、緩んだネジを締め直すだけでガタつきが解消することがよくあります。
座面の裏や脚の付け根など、見えにくい場所のネジも含めて全体をチェックします。
合わないドライバーを使うとネジ山をつぶしてしまうため、サイズの合う工具を選びます。
締め直したあと、実際に座ったり揺らしたりして、ガタつきが止まったか確かめます。
ネジが空回りするときの裏ワザ
ネジを締めても空回りして効かない場合は、ネジ穴が広がってしまっている状態です。そんなときは、次のような方法で穴を埋めると締まりやすくなります。
つまようじや細い木片に木工用ボンドをつけて穴に詰め、乾いてから余分をカットしてネジを締め直します。木の繊維がネジを受け止め、効きが戻ります。
手早く済ませたい場合は、市販の木工用パテで穴を埋める方法もあります。少し太めのネジに交換するのも有効です。
接着剤・くさびでぐらつきを止める
脚と座面の接合部分(ホゾ組み)が緩んでぐらつく場合は、接着剤やくさびで固定し直します。木製の椅子には木工用ボンド、金属部分には金属用の接着剤を選びましょう。
接合部のすき間が大きいときは、薄い木片を「くさび」として打ち込み、ボンドで固定するとしっかり安定します。接着剤を使うときは、一度緩んだ部分の古いボンドや汚れを軽く落としてから塗るのがコツです。


座面のへたり・破れを修理する方法
毎日座る座面は、クッション材がへたったり、布が破れたりと劣化しやすい部分です。座面の修理は、軽度なら自分でも対応でき、本格的な張り替えに挑戦することもできます。


クッションを足してへたりを解消
座ったときに沈み込みが気になる程度のへたりなら、クッション材を足すだけで座り心地が戻ることがあります。
座面を裏側から外せるタイプの椅子なら、既存のクッションの上に新しいウレタンを重ね、座面布で包み直します。座面が外せない椅子の場合は、座布団や低反発クッションを置くだけでも負担をやわらげられます。
座面の張り替えにチャレンジ
布が破れた・汚れが目立つ場合は、座面の張り替えがおすすめです。座面の張り替えはDIYの中では比較的取り組みやすく、好みの布で雰囲気を変えられる楽しさもあります。
座面の裏のネジを外し、座面を椅子から取り外します。
裏側で布を留めているタッカーの針を、マイナスドライバーなどで丁寧に外します。
クッションを包むように新しい布をかぶせ、布を引っ張りながらタッカーで裏側に留めていきます。角はたたんでシワを寄せないのがきれいに仕上げるコツです。
張り終えた座面を椅子に戻し、ネジで固定すれば完成です。
布は、汚れに強い合皮や、厚手で丈夫なファブリック生地が扱いやすくおすすめです。タッカー(ステープルガン)はホームセンターや通販で手に入ります。
脚の傷・床のすべり・背もたれのトラブル
椅子は座面やぐらつき以外にも、脚の傷や床へのダメージといった細かなトラブルが起こりがちです。こうした部分は、手軽なアイテムで対処できることが多いです。
脚の傷・欠けを補修する
木製の脚にできた傷や小さな欠けは、補修用のクレヨンやパテで目立たなくできます。傷の色に近いものを選び、すり込むようにして埋めるのがポイントです。
深い欠けには木工用パテを使い、乾いてからサンドペーパーで整え、上から似た色を塗ると自然に仕上がります。
フェルト・脚カバーで床傷とすべりを防ぐ
椅子を引くときの「ガリッ」という床傷や、すべってしまう不安定さは、脚の裏に貼るアイテムで防げます。
- フェルトシール:床の傷防止と、引きずる音の軽減に効果的
- 脚キャップ(脚カバー):脚先をすっぽり覆い、ガタつきの微調整にも使える
- すべり止めパッド:椅子が動きやすいフローリングでの安定感アップに
椅子の修理を業者に頼むときの費用相場
自分での修理が難しい場合や、大切な椅子をきれいに直したい場合は、家具修理の業者に依頼する方法があります。ここでは、おおよその費用相場を見ていきましょう。
症状別の費用目安
下の表は、業者に依頼した場合の費用の目安です。椅子の大きさや素材、布の種類によって変わるため、参考程度にご覧ください。
| 修理内容 | 費用の目安(1脚あたり) |
|---|---|
| ぐらつき・ガタつきの修理 | 数千円〜 |
| 座面クッション(ウレタン)の補充・交換 | 1,000円前後〜 |
| 座面の張り替え(作業+材料) | 15,000円前後〜 |
料金は「作業費のみ」か「材料費込み」かで大きく変わります。見積もりを取るときは、配送費の有無もあわせて確認しておくと安心です。
買い替えと修理、どっちが得?
修理費用が新品の価格に近づくなら、買い替えも一つの選択肢です。ただし、判断は金額だけで決めなくてかまいません。
思い入れのある椅子や、同じものが手に入らない椅子は、多少費用がかかっても修理する価値があります。一方、量販店で手軽に買えるタイプで、複数の場所が傷んでいるなら、買い替えのほうが結果的に満足できることもあります。
「ぐらつき」は自分で、「本格的な張り替えや破損」は業者に。症状で線引きすると、ムダなく直せます。
同じ考え方は、椅子以外の身のまわりのものにも使えます。壊れた傘も、どこが壊れたかで自分で直せるか店に出すかが分かれます。




よくある質問
- グラグラする椅子をそのまま使い続けても大丈夫ですか?
-
軽いガタつきならネジの締め直しで直りますが、放置すると接合部の負担が大きくなり、座ったときに崩れる心配があります。早めに点検し、不安があれば使用を控えて修理しましょう。
- 修理に必要な道具はどこで買えますか?
-
ドライバー・木工用ボンド・パテ・タッカー・フェルトシールなどは、ホームセンターや通販で手に入ります。多くは数百円〜数千円程度で揃えられます。
- アンティークや高級な椅子も自分で直していいですか?
-
価値のある椅子は、無理に自分で直すと風合いを損なうことがあります。専門の家具修理業者に相談したほうが、結果的にきれいに長く使えます。
まとめ:症状に合わせて無理なく直そう
椅子の修理は「症状を見分けること」が出発点です。ぐらつきはネジの締め直しから、座面のへたりはクッション足しや張り替えで、多くは自分でも対応できます。
一方で、木が割れていたり、大切なアンティークだったりする場合は、無理をせず業者に相談するのが安心です。費用相場を知っておけば、修理と買い替えのどちらが自分に合うかも判断しやすくなります。










