屋根裏でカサカサと物音がしたり、庭にフンを見つけたりすると、不安になりますよね。害獣の被害は早めに対処しないと、建物の劣化や健康被害につながることもあります。
とはいえ、いきなり業者に頼むのは費用が心配ですし、自分で捕まえようとすると法律に違反するケースもあるため注意が必要です。
この記事では、害獣の種類や被害、自分でできる対策の範囲、業者の費用相場や選び方まで、初めて害獣駆除を考える方が知っておきたい基礎知識をまとめてご紹介します。

そもそも害獣とは?まず知っておきたい基本
害獣とは、人の生活や農作物、建物などに被害をもたらす野生動物の総称です。住宅街でも被害が増えており、屋根裏や床下に住み着くケースが目立ちます。
害獣と害虫の違い
害獣はネズミやハクビシンといった哺乳類が中心で、害虫はゴキブリやシロアリなど虫の仲間を指します。サイズが大きい分、害獣のほうが建物への被害や糞尿の量が多くなりがちです。
また、ゴキブリのように市販のスプレーで対処できる害虫と違い、害獣の多くは法律で保護されているため、捕獲や殺傷に制限があります。この点が大きな違いです。
代表的な害獣6種と特徴
住宅地で被害が多い害獣は、ネズミ・ハクビシン・アライグマ・イタチ・コウモリ・ハトの6種です。それぞれ大きさや習性が異なるため、まずは特徴を押さえておきましょう。
| 害獣 | 大きさ(体長) | 主な被害 | 住み着く場所 |
|---|---|---|---|
| ネズミ | 10〜25cm | 配線かじり・食害・糞尿 | 天井裏・床下・壁の中 |
| ハクビシン | 90〜110cm(尾含む) | 糞尿・騒音・農作物食害 | 屋根裏・軒下 |
| アライグマ | 80〜100cm(尾含む) | 建物損壊・農作物食害 | 屋根裏・物置 |
| イタチ | 30〜40cm | 糞尿・悪臭・小動物への被害 | 天井裏・床下 |
| コウモリ | 4〜6cm(アブラコウモリ) | 糞害・騒音 | 屋根裏・換気口・戸袋 |
| ハト | 30〜35cm | 糞害・鳴き声・羽根 | ベランダ・屋根 |
とくにアライグマ・ハクビシン・イタチは住宅街での被害が増えている3種で、見た目によらず鋭い牙や爪を持っており、近づくと攻撃してくることもあります。

「最近、夜になると屋根裏でドタドタ走る音がするんだけど…これって何の動物?」
足音の大きさや時間帯で、ある程度は推測できます。ネズミなら高い位置で素早くカサカサ、ハクビシンやアライグマなら重みのある足音で夜行性、イタチは比較的早朝や夕方に動くことが多いです。
放置するとどんな被害が出るのか
害獣を放置すると、被害は大きく3つの方向に広がります。建物の損傷、健康へのリスク、そして経済的な損失です。
- 建物被害:断熱材を巣材にされる、配線をかじられて漏電、糞尿で天井にシミや穴
- 健康被害:糞尿による悪臭、ダニ・ノミの繁殖、感染症のリスク
- 経済的被害:修繕費が高額化、家屋の資産価値の低下
とくに糞尿は天井板を腐らせる原因になり、放置期間が長いほど修繕費がかさみます。早めに気づいて手を打つことが、結果的にコストを抑える一番の近道です。
害獣駆除で必ず知っておきたい法律のこと
害獣だからといって、見つけてもすぐに捕まえたり殺したりすることはできません。日本では「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」によって、ほとんどの野生動物が保護されているからです。
鳥獣保護管理法とは
鳥獣保護管理法は、野生鳥獣の保護と適正な管理を目的とした法律で、環境省が所管しています。原則として、野生の鳥や獣を許可なく捕獲したり傷つけたりすることは禁止されています。
この法律で保護されている動物には、ハクビシン・アライグマ・イタチ・タヌキ・コウモリ・ハト・カラスなど、住宅地で見かける多くの種類が含まれます。一方で、家ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)は対象外です。
ネズミは法律の対象外なので、市販の駆除剤や粘着シートで自分で対処できます。一方、ハクビシンやアライグマなどは無許可で捕まえると違法になります。
勝手に捕まえると罰則がある
許可なく野生動物を捕獲・殺傷した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則が科せられる可能性があります。罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金で、決して軽くありません。
例外として自分で対応できること
とはいえ、被害を受けている人が手も足も出せないわけではありません。法律で禁じられているのは「捕獲」と「殺傷」であり、追い出しや侵入予防は基本的に自由に行えます。
- 侵入経路をふさぐ(金網やパテで穴を埋める)
- 忌避剤や超音波装置で寄せ付けない
- エサになるもの(生ゴミ・果実)を片付ける
- 家ネズミは粘着シート・毒餌などで対処可能
逆に、捕獲して移動させたり傷つけたりするには、自治体(都道府県知事)への申請と許可が必要です。申請から許可まで時間がかかるため、現実的には専門業者に依頼するケースがほとんどになります。
自分でできる害獣対策と限界
家ネズミ以外の害獣に対して、個人ができるのは「予防」と「追い出し」までと考えるのが現実的です。捕獲は許可が必要なため、ハードルが高くなります。


侵入経路をふさぐ
害獣対策の基本は、入ってこられないようにすることです。住み着いてしまってからでは、追い出しても再び入られる可能性が高くなります。
害獣が侵入しやすい場所は次のとおりです。
- 屋根の隙間・破風板の傷み
- 軒下・天井の通気口
- エアコンの配管周り
- 基礎の通風孔
- 戸袋の中
金網(パンチングメタル)やシリコンコーキング、防鼠ブラシなどで物理的にふさぐのが効果的です。コウモリやネズミは2〜3cmの隙間でも通り抜けるため、目で見て「これは大丈夫だろう」と思う隙間でも要注意です。
忌避剤・超音波などの予防グッズ
市販の予防グッズには、いくつかタイプがあります。それぞれメリットと限界があるため、組み合わせて使うのが現実的です。
| タイプ | 仕組み | 向いている場面 |
|---|---|---|
| くん煙剤 | 煙でいぶし出す | 屋根裏に住み着いた直後の追い出し |
| 忌避スプレー | 嫌な匂いで遠ざける | 侵入経路や巣の周辺 |
| 超音波装置 | 動物が嫌う音を出す | 庭・ベランダなど屋外 |
| 固形忌避剤 | 長期間設置して匂いで遠ざける | 屋根裏・床下 |
ただし、これらのグッズは「効果が必ずある」わけではなく、害獣の慣れや個体差で効きにくくなることもあります。あくまで補助的な手段と考えておきましょう。
ここから先はプロに任せた方がいい3つのサイン
自分で対策しても改善しない場合、次のサインが出ていたら業者への相談を検討しましょう。被害が拡大する前に動くほうが、結果的に費用も時間も節約できます。
毎晩物音がする、フンが定期的に見つかる場合は、巣を作って繁殖している可能性が高い状態です。追い出してもすぐ戻られるため、専門的な施工が必要になります。
天井のシミ・壁の変色・強い悪臭は、被害が建物本体まで進んでいるサインです。清掃・消毒・断熱材の交換まで含めた対応が必要です。
侵入経路をふさいで忌避剤を使っても物音が続くなら、対策の精度が足りていない可能性があります。プロの目で侵入経路を特定してもらうのが近道です。



「自分で頑張ったのに改善しない…」という方は、無料の現地調査だけでも依頼してみると、原因が一気にわかることが多いですよ。
害獣駆除業者に依頼するときの費用相場
害獣駆除を業者に依頼する場合、費用はおおむね6万円〜30万円が目安です。被害の程度や害獣の種類、家の広さによって大きく変動します。
害獣別の費用相場一覧
害獣の種類によって、駆除の難易度や必要な作業が異なるため費用にも差が出ます。複数の業者の公開情報を参考にした目安は次のとおりです。
| 害獣 | 費用相場 | 主な作業内容 |
|---|---|---|
| ネズミ | 3万〜20万円 | 毒餌・粘着シート・侵入口封鎖 |
| ハクビシン | 10万〜30万円 | 追い出し・捕獲・清掃・封鎖 |
| アライグマ | 10万〜30万円 | 追い出し・捕獲・清掃・封鎖 |
| イタチ | 5万〜25万円 | 追い出し・忌避剤・封鎖 |
| コウモリ | 4万〜20万円 | 追い出し・侵入口封鎖・清掃 |
| ハト | 3万〜15万円 | 巣の撤去・防鳥ネット設置 |
※費用は業者・地域・被害状況により変動します。実際の依頼前に必ず複数社で見積もりを取ってください。
費用が変動する4つの要素
同じ害獣でも、費用が大きく変わる理由はいくつかあります。見積もりを比較するときの参考にしてください。
- 被害範囲の広さ:屋根裏全体か一部かで作業量が変わる
- 害獣の数:繁殖していると清掃・消毒の範囲が広がる
- 家の構造・築年数:古い家ほど侵入経路が多く、封鎖箇所が増える
- 追加作業の有無:断熱材の交換・天井板の張り替えなど
「相場より高い」と感じても、被害が深刻であれば妥当な金額のこともあります。逆に「驚くほど安い」見積もりは、後から追加請求があるパターンが多いため要注意です。
費用を抑える3つのコツ
少しでも費用を抑えたいときは、次の3つを意識してみてください。
- 早めに相談する:被害が小さいうちに対応すれば、清掃・修繕の範囲が狭くて済みます
- 相見積もりを取る:必ず2〜3社から見積もりをもらい、内容を比較する
- 自治体の補助金を確認する:地域によってはアライグマやハクビシンの駆除補助があります
とくに自治体の補助金は意外と知られていません。「○○市 害獣 補助金」で検索すると、対象動物・補助額・申請方法が見つかることがあります。依頼前に確認しておきましょう。
失敗しない害獣駆除業者の選び方
害獣駆除業界には、残念ながら悪徳業者も存在します。高額請求や不十分な施工で再発するトラブルを避けるためには、業者選びの段階でしっかり見極めることが大切です。


優良業者を見抜く5つのチェックポイント
信頼できる業者には共通する特徴があります。問い合わせの段階から、次の5つを確認しましょう。
- 現地調査が無料で、1〜2時間以上かけてくれる
- 見積書に作業内容ごとの明細がある
- 追加費用が発生する条件を事前に説明してくれる
- 保証期間(最低でも1年以上が目安)と再発時の無償対応がある
- 契約を急かさない
とくに調査時間は重要な判断材料です。屋根裏や床下まできちんと見るには時間がかかるため、10〜15分で見積もりを出してくる業者は精度に疑問が残ります。
悪徳業者の典型的な手口
悪徳業者には、いくつか分かりやすいパターンがあります。次のような対応を取る業者は避けたほうが無難です。
とくに「今すぐ契約しないと家がボロボロになる」と急かすセールストークは典型的な手口です。本当に良心的な業者なら、検討時間をくれます。
相見積もりの取り方とコツ
相見積もりは、適正価格を知るうえで欠かせないステップです。最低でも2社、できれば3社から見積もりを取りましょう。
「屋根裏のハクビシンの駆除と封鎖、清掃まで」のように、同じ作業範囲で依頼します。条件が違うと比較になりません。
合計金額だけでなく、作業ごとの単価・出張費・保証の有無を一覧で並べて比較します。極端に安い項目があれば理由を確認しましょう。
「この作業はなぜ必要か」「保証期間中の再発はどう対応するか」といった質問に、明確に答えてくれるかをチェックします。
マッチングサイトやランキングサイト経由だと、複数社からまとめて見積もりが取れて便利です。ただし、紹介先が偏っている場合もあるので、地元の業者にも個別に問い合わせて比較するとより安心です。


よくある質問
- 賃貸住宅で害獣被害が出たら、駆除費用は誰が払うのですか?
-
原則として、建物の維持管理は貸主(大家・管理会社)の責任です。まずは契約書を確認し、管理会社に連絡してください。借主が勝手に業者に依頼すると、費用が自己負担になる可能性があります。
- 駆除した後、再発することはありますか?
-
侵入経路の封鎖が不十分だと再発します。優良業者は「再発防止のための封鎖」までを施工内容に含めており、保証期間内であれば無償で再対応してくれます。契約前に必ず保証内容を確認しましょう。
- 火災保険で害獣駆除費用は補償されますか?
-
多くの場合、害獣による被害そのものは補償対象外です。ただし、害獣がかじったことによる漏電火災など、二次被害については補償される可能性があります。加入中の保険会社に確認してみてください。
- 自治体に相談すると駆除してもらえますか?
-
自治体は基本的に駆除を直接行いません。ただし、捕獲器の貸出や補助金制度がある自治体もあります。お住まいの市区町村のホームページで「害獣 補助金」「捕獲器 貸出」と検索してみましょう。
- 害獣のフンを掃除するときの注意点はありますか?
-
素手で触らず、マスク・ゴム手袋を着用してください。フンには細菌や寄生虫がいる可能性があります。乾燥したフンを掃き掃除すると粉塵が舞うため、霧吹きで湿らせてから処理し、消毒液で拭き上げると安心です。体調に異変を感じたら早めに医療機関を受診してください。
まとめ|まず予防と業者の見極めから
害獣駆除は、被害が小さいうちほど対処の選択肢が広がります。建物の損傷や健康被害が広がる前に、まずは予防と情報収集から始めるのが賢明です。
害獣駆除で覚えておきたい3つのポイント
- 家ネズミ以外は法律で守られている:無許可の捕獲・殺傷は罰則の対象。自分でできるのは追い出しと予防まで
- 費用相場は6万〜30万円:害獣の種類・被害範囲・家の構造で変動。必ず2〜3社で相見積もり
- 業者は調査時間と保証で選ぶ:1〜2時間以上かけて調査し、明細つき見積書を出し、再発保証がある業者が安心
「ちょっと気になる物音がする」段階で動けば、数万円の予防対策で済むこともあります。被害が深刻化してから依頼すると、清掃や修繕も含めて十数万円〜の出費になりがちです。









