いちじくの剪定時期は12〜2月!夏果・秋果で違う切り方のコツ

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「いちじくの剪定って、いつやればいいの?」と迷っていませんか。せっかく育てたいちじくも、剪定の時期を間違えると実がならなくなってしまうことがあります。

実際に多いのが、冬に枝をきれいに切りそろえた翌年、葉ばかり茂って実が一つもつかなかったという失敗です。切る位置そのものより、自分の木が夏果と秋果のどちらのタイプかを知らないまま切ったことが原因になりがちです。

結論から言うと、いちじくの剪定に適した時期は12〜2月の落葉後(休眠期)です。ただし、夏果と秋果のどちらを収穫したいかで切り方が変わる点に注意が必要です。

この記事では、剪定の最適な時期から、初心者がつまずきやすい「夏果・秋果の違い」、切る枝と残す枝の見分け方まで、順を追って解説します。

目次

いちじくの剪定時期はいつ?結論は12〜2月の落葉後

いちじくの剪定は、葉がすべて落ちた12月から2月ごろに行うのが基本です。木が休んでいる「休眠期」にあたるため、枝を切っても木への負担が少なくてすみます。

この時期は葉がないぶん枝の形が見やすく、どこを切るか判断しやすいのもメリットです。地域にもよりますが、寒さが厳しい真冬を避け、暖かい日を選んで作業するとよいでしょう。

落葉が終わったかどうかは、葉の枚数だけでなく枝の様子でも確かめられます。葉の付け根(葉柄)まで自然に落ちきり、枝を軽く曲げると硬く締まった手応えがあれば、休眠に入ったサインです。数枚だけ枯れ葉が残っている状態なら、あと1〜2週間待ってから作業しても遅くありません。

落葉して枝だけになった冬のいちじくの木

なぜ休眠期(冬)に剪定するのか

休眠期は、いちじくが成長を止めて体力を蓄えている時期です。この時期なら枝を切っても樹液の流出が少なく、切り口から傷みにくくなります。

反対に、木が活発に活動している春から秋にかけて太い枝を切ると、切り口から樹液が大量に出て木が弱る原因になります。落葉のタイミングは、いちじくが「今なら切ってもいいですよ」と教えてくれる合図と考えるとわかりやすいです。

もうひとつの利点は、切ったあとの回復までに時間の余裕があることです。冬に切った切り口は、春に芽が動き出すまでの数か月をかけてゆっくり乾き、組織がふさがっていきます。生育中に切ると、木は葉を茂らせながら傷口もふさがなければならず、どちらも中途半端になりがちです。

夏に剪定してはいけない理由

夏場に強い剪定をするのは避けましょう。生育期に太い枝を切ると、木が弱るだけでなく、翌年の実つきにも悪影響が出ます。

ただし、混み合った葉を軽く整理したり、伸びすぎた新しい枝の先を少し摘んだりする程度の軽作業なら、夏でも問題ありません。あくまで「太い枝をばっさり切る強剪定は冬に」と覚えておけば大丈夫です。

線引きに迷ったときは、切る枝の太さで判断すると簡単です。手で折れるくらいの細い枝や葉を数枚落とすだけなら生育期でも回復しますが、剪定ばさみで力をこめないと切れない太さになったら冬まで待つ、という基準にしておくと安全です。

葉が全部落ちたら剪定のサイン、と覚えておくと迷いませんよ。

寒い地域と暖かい地域で変わる作業日の決め方

同じ「12〜2月」でも、住んでいる地域によって選びたい時期は少しずれます。冷え込みが厳しい地域では、真冬に切った切り口が寒風にさらされて枝先が枯れ込むことがあるため、厳寒期を外して2月下旬から3月上旬に寄せる方法があります。芽が動き出す前であれば、この時期でも休眠期の剪定として扱えます。

逆に冬でも比較的暖かい地域では、落葉が済んだ12月のうちに作業を終えてしまってかまいません。

作業当日の天気も判断材料になります。降ったあとで枝が濡れている日は切り口がなかなか乾かず、風が強い日は脚立が不安定になります。晴れて風の弱い日の午前中に始めれば、切り口はその日のうちに乾きます。

剪定前に知るべき「夏果」と「秋果」の違い

いちじくの剪定でいちばん大切なのが、夏果と秋果のどちらを収穫したいかを決めることです。実がつく枝が違うため、ここを間違えると「切ったら実がならなかった」という失敗につながります。

まずは、それぞれの実がどこにつくのかを整理しておきましょう。

夏果と秋果の違い

  • 夏果(なつか):前年に伸びた枝につく。6〜7月ごろに収穫
  • 秋果(あきか):今年伸びた枝につく。8〜10月ごろに収穫

品種によって「夏果専用種」「秋果専用種」「両方なる兼用種」があります。自分の木がどのタイプかで、剪定の強さを変える必要があります。

タイプ実がつく枝収穫の目安剪定の方針
夏果種前年の枝6〜7月切りすぎない(枝を残す)
秋果種今年の枝8〜10月強めに切ってよい
兼用種両方6〜10月バランスよく残す

夏果=前年に伸びた枝につく

夏果は、去年伸びた枝の先のほうに実をつけます。そのため、冬に枝を短く切りすぎると、実がつくはずの部分まで切り落としてしまいます。

夏果を楽しみたい場合は、前年に伸びた元気な枝をなるべく残すのがポイントです。

着果する場所をもう少し具体的に言うと、前年に伸びて茶色く木質化した枝の、先端に近い部分です。冬のあいだにこの枝先を見ると、小指の先ほどの小さなふくらみが残っていることがあります。これが翌年6〜7月に育つ夏果のもとなので、そこから先を落とす切り方をすると、その枝からの収穫はなくなります。

つまり夏果を狙う年は、「短く詰める」ではなく「本数を減らす」という発想に切り替えることになります。枝先を残したまま込み合いだけを解消するので、木の姿は冬でもあまり小さくなりません。

秋果=今年伸びた枝につく

秋果は、その年の春から新しく伸びた枝に実をつけます。冬にしっかり切り戻しても、春になれば新しい枝が伸びてそこに実がつくため、強めの剪定と相性がよいのが特徴です。

コンパクトに育てたい方や、初心者の方には、思い切って切れる秋果種のほうが管理しやすいでしょう。

秋果は、春に伸び始めた新しい枝の付け根のほうから順に実をつけ、枝が伸びるにつれて上へと着果位置が移っていきます。そのため収穫期間が長く、8月から10月ごろまで少しずつ採れるのが特徴です。冬の剪定で枝を短くしておくと、春に伸びる新梢が太く勢いよく育ち、そのぶん実も大きくなりやすくなります。

自分の木がどのタイプか見分ける

すでに植わっている木のタイプがわからない場合は、実がなる時期で判断できます。6〜7月に実がなれば夏果種、夏の終わりから秋にかけて実がなれば秋果種の可能性が高いです。

購入した苗であれば、品種名から調べるのが確実です。日本の家庭でよく育てられている「桝井ドーフィン」は、秋果を中心とした兼用種にあたります。

桝井ドーフィンは国内のいちじく栽培で大きな割合を占める品種で、庭木として植えられているものもこれであるケースが少なくありません。一方、近年家庭でも増えている「ビオレソリエス」は秋果専用種にあたり、冬に強く切り戻す剪定と相性のよいタイプです。

品種名も収穫の記憶もあいまいなときは、冬の枝を観察するのが手がかりになります。茶色い二年枝の先に小さなふくらみが残っていれば夏果がつくタイプ、緑がかった今年の枝にだけ実の跡があれば秋果中心のタイプと見当がつきます。判断に迷ったら、その年は強く切らずに様子を見るのが安全です。

剪定の道具と安全な作業のしかた

いちじくの剪定は、切り始める前の段取りで作業のしやすさが大きく変わります。途中で道具を取りに戻ると、中途半端な位置で枝を切ってしまいがちだからです。

作業前にそろえておきたいのは、次のものです。切った枝を入れる袋を先に足元に置いておくと、片づけまで一度で終わります。

  • 剪定ばさみ(枝の直径1cmくらいまで)
  • 太枝切りばさみ、または剪定のこぎり(それより太い枝用)
  • ゴム手袋または厚手の作業手袋と、汚れてもよい長袖
  • 癒合剤と、切り口を拭くためのウエス

白い乳液(樹液)は素手で触らない

いちじくの枝や葉を切ると、切り口から白い乳液がにじみ出てきます。これはフィシン(フィカイン)と呼ばれるたんぱく質分解酵素を含む分泌液で、肌に付くとヒリヒリしたり、かゆみが出たりすることがあります。

体質によって反応の出方は違いますが、手袋と長袖で肌を覆っておけば、そもそも付着を避けられます。とくに注意したいのは、乳液の付いた手で目や口のまわりに触れることです。汗をぬぐう前に手袋を外す、作業が終わったら石けんで手を洗う、といった順番を決めておくと安心です。

肌に付いてしまったら、こすらずに流水で早めに洗い流してください。かゆみや赤みが強い、なかなか引かないといった場合は、自己判断で様子を見ずに医療機関に相談しましょう。

乳液は衣類に付くとしみになって落ちにくいため、おろしたての服での作業は避けたほうが無難です。同じフィカス属の観葉植物ウンベラータも、切り口から同じような白い樹液を出します。樹液の拭き取り方や付いてしまったときの扱いは、そちらの記事でも取り上げています。

刃物と脚立の扱いで気をつけること

剪定ばさみは、枝の太さに合った道具を選ぶことが安全につながります。太すぎる枝を無理に剪定ばさみで切ろうとすると、刃がねじれて手元が滑るうえ、樹皮が裂けて切り口が汚くなります。直径1cmを超えるようなら太枝切りばさみやのこぎりに持ち替えましょう。

切れ味の落ちた刃も危険です。力をこめないと切れない状態は、手元が狂いやすく、木にとっても切り口がつぶれる原因になります。作業前に刃をふき、ヤニが付いていれば落としておきましょう。

高い位置の枝を切るときは、脚立を平らな地面に置き、天板には乗らないようにします。切る枝の真下に体を入れない、はさみを持ったまま脚立を上り下りしないという2点を守るだけでも、けがのリスクはぐっと下がります。届かない高さは無理をせず、翌年に高さを抑える剪定へ切り替えるほうが安全です。

いちじくの剪定方法|切る枝・残す枝

剪定の基本は、不要な枝を減らして日当たりと風通しをよくすることです。混み合った枝を整理すると、残した枝に栄養が集まり、実の質もよくなります。

もうひとつ覚えておきたいのが、切った枝は元に戻せないという当たり前の事実です。迷った枝はいったん残し、翌年の伸び方を見てから判断しても遅くありません。理想の樹形に一年で近づけようとせず、2〜3年かけて整えるつもりで臨むほうが失敗が少なくなります。

タイプ別の切り方を見ていきましょう。

剪定を進める順番

枝をどこから切るか迷ったときは、判断のいらない枝から先に外していくと全体が見えやすくなります。

STEP
木を一周して全体を見る

いきなり刃を入れず、少し離れた位置から木を一周します。どちら側が混んでいるか、どの枝が隣家や通路にはみ出しているかを先に把握しておきます。

STEP
迷わず切れる枝から外す

タイプに関係なく切れる枝を先に外します(どの枝が該当するかは、後述の「切る枝の優先順位」を参照)。ここを外すだけで枝の並びが見やすくなります。

STEP
残す主枝を決める

骨格になる太い枝を何本残すか決めます。枝どうしが触れ合わず、内側まで日が差し込む間隔を目安にすると迷いません。

STEP
タイプに合わせて枝先を処理する

ここで初めて夏果・秋果の違いが効いてきます。秋果を狙うなら短く切り戻し、夏果を狙うなら枝先を残したまま本数だけ減らします。

STEP
切り口を処理して片づける

太い切り口に癒合剤を塗り、落とした枝を集めます。細い枝の切り口まで塗る必要はなく、指の太さを超えた枝だけで十分です。

秋果種の切り方(強めに切る)

秋果種は、今年伸びる枝に実がつくため、冬のあいだに思い切って切り戻せます。前年の枝を1〜2芽ほど残して短く切ると、春に勢いのある新芽が伸び、そこに秋果がつきます。

枝を短くすることで木の高さも抑えられ、収穫や手入れがしやすくなります。

切る位置は、残したい芽のすぐ上です。芽から離れた場所で切ると、残った部分が枯れ込んで見た目が悪くなります。逆に芽ぎりぎりで切ると芽まで傷めるので、芽の1cmほど上に刃を入れるとちょうどよく収まります。太さの違う枝が混ざっている場合は、太くて充実した枝を優先して残しましょう。

夏果種の切り方(切りすぎ注意)

夏果種は、前年に伸びた枝に実がつくため、切りすぎは禁物です。伸びた枝を短く切りすぎると、翌年の夏果がほとんどなくなってしまいます。

混み合った部分や枯れ枝を間引く程度にとどめ、元気な枝はできるだけ残しましょう。

間引くときは、枝の途中ではなく付け根から切り落とすのがコツです。途中で切ると残った部分から弱い枝が何本も出てしまい、翌年また混み合います。どの枝を落とすか迷ったら、内側や真下に向かって伸びている枝、他の枝と交差している枝から外していくと、木の姿を崩さずに風通しを確保できます。

タイプ別に残す枝の目安

どのくらい残せばよいかは、狙う実によって変わります。切る前に次の表で自分の木を確認しておくと、作業中に迷いにくくなります。

狙う実前年枝の扱い残す芽の目安冬の木の見た目
秋果だけでよい短く切り戻す枝あたり1〜2芽枝が短く、こぶし状に整う
夏果を優先したい枝先を切らず本数を減らす枝先の芽をそのまま残す枝が長く、あまり小さくならない
兼用種で両方狙う枝ごとに扱いを分ける短く切る枝と残す枝を半々に長短の枝が混ざる

兼用種を育てている場合は、木全体を同じ長さにそろえないことが大切です。すべて短く切れば夏果が、すべて長く残せば秋果の勢いが失われます。太くて充実した枝を数本だけ長めに残し、残りは短く切り戻すという分け方にしておけば、翌年どちらの実も期待できます。

常緑樹であるみかんは、適した時期も切る枝の選び方も落葉果樹とは異なります。庭に両方植えている方は、こちらの手順もあわせて確認しておくと作業計画が立てやすくなります。

初心者がやりがちな失敗

剪定でよくある失敗を、あらかじめ知っておくと安心です。

  • 夏果種なのに強く切りすぎて、翌年実がならなかった
  • 切る時期が遅れ、芽が動き出してから切って木を弱らせた
  • 枝を残しすぎて日当たりが悪くなり、実が甘くならなかった
  • 切り口を放置してそこから傷んでしまった

太い枝を切ったあとは、切り口に癒合剤(ゆごうざい)を塗っておくと、雑菌の侵入を防げて安心です。

もし切りすぎてしまっても、その年で終わりではありません。強く切られた木は春に勢いのよい枝を伸ばそうとするので、伸びてきた新梢のうち位置のよいものを数本残し、翌年の骨格として育て直します。焦って追加で切ったり、肥料を増やして取り返そうとしたりするほうが、かえって回復を遅らせます。

切る枝の優先順位

  • 枯れた枝・折れた枝
  • 内側に向かって伸びている枝(ふところ枝)
  • 根元から出てくる細い枝(ひこばえ)

鉢植えいちじくの剪定と仕立て方

鉢植えのいちじくも、剪定の時期は地植えと同じ12〜2月です。鉢はスペースが限られるため、コンパクトに保つ剪定を意識しましょう。

鉢植えでは、主軸となる枝を数本に絞り、横に広がりすぎないよう整えるのがコツです。実がつく枝を残しながら、全体の高さを抑えると、ベランダでも扱いやすくなります。

また、鉢植えは根が張れる範囲が限られるため、2〜3年に一度は植え替えて古い土を新しくすると、木が元気を保ちやすくなります。

鉢植えなら、収穫しやすい高さに抑えて育てるのがおすすめです。

一文字仕立てと杯状仕立ての違い

いちじくの代表的な仕立て方には、一文字仕立てと杯状仕立てがあります。どちらを選ぶかで、毎年の剪定の切り方も決まってきます。

仕立て方骨格の形向いている場面毎年の剪定
一文字仕立て主枝2本を左右へ水平に伸ばす低く抑えたいとき・秋果中心のとき主枝から上に伸びた枝を短く切り戻す
杯状仕立て主枝を数本、外向きに開かせる庭で自然な樹形にしたいとき内向きの枝を間引き、外向きの枝を残す

一文字仕立ては、左右に伸ばした主枝から上向きの枝を毎年出させる形なので、脚立を使わずに収穫できる高さで管理しやすいのが利点です。杯状仕立ては木の内側に日が入りやすく、枝数を確保しやすいため、夏果もあわせて楽しみたい庭木に向いています。

鉢植えで高さを抑えるときの切り方

鉢植えは根の量が限られるぶん、枝を伸ばしすぎると水切れしやすくなります。地上部と根のバランスをとる意味でも、冬にしっかり切り戻しておくほうが管理は楽になります。

目安は、収穫のときに背伸びをしなくてよい高さです。ベランダなら手すりを超えない範囲に収めておくと、風で鉢が倒れる心配も減らせます。高さを下げるときは、太い枝を一気に短くするのではなく、上に伸びた枝を付け根から外していくと、切り口が目立ちません。

植え替えと剪定を同じ冬にまとめる場合は、根を整理したぶん枝も減らすと、春の芽出しが安定します。鉢の底穴から根が出ていたり、水やりのときに水がなかなか染み込まなかったりしたら、植え替えのサインです。

剪定後のお手入れと注意点

剪定が終わったあとのひと手間で、木の状態は大きく変わります。切りっぱなしにせず、切り口のケアと株元の管理を意識しましょう。

太い枝を切った切り口は、癒合剤で保護しておくと乾燥や病気を防げます。また、剪定で切り落とした枝は病害虫の温床になりやすいため、株元に放置せず片づけておきましょう。

剪定後の休眠期は、根に栄養を蓄えさせる大切な時期でもあります。寒肥(かんごえ)として緩効性の肥料を株元にほどこすと、春からの生育がよくなります。

カミキリムシの食害は冬のうちに見つける

いちじくで最も警戒したい害虫が、キボシカミキリに代表されるカミキリムシです。幼虫が幹や枝の内部を食い進むため、気づかないうちに株元から折れたり、枝が枯れ込んだりします。

見つける手がかりは、株元や枝の分かれ目に落ちている木くずのような排出物(フラス)です。おがくずが積もったような跡があれば、その近くに小さな穴が開いていないか確認します。葉が落ちて幹がよく見える冬は、この点検にいちばん適した時期です。

被害が枝先だけなら、その枝を切り取って処分すれば被害の拡大を抑えられます。幹に穴がある場合は、園芸店で販売されているカミキリムシ用の薬剤を穴に注入する方法が一般的です。成虫が産卵しやすい株元から高さ50cmほどを目の細かいネットで覆っておくと、翌年の被害を減らせます。薬剤を使うときは、果樹への使用が認められた製品かどうかを必ずラベルで確認してください。

寒肥はどこに施すか

寒肥は、幹のすぐそばにまいても効きにくい肥料です。養分を吸うのは根の先端に近い部分なので、枝が広がっている先端の真下あたりを浅く掘り、そこに埋めるようにします。

時期は剪定と同じ12〜2月で、作業をまとめてしまってかまいません。効き始めるまでに時間がかかる緩効性の肥料を選ぶと、ちょうど春の芽出しに間に合います。

鉢植えの場合は、根の張れる範囲が狭いため、地植えと同じ感覚で施すと多すぎになります。製品に書かれた鉢サイズごとの量を守り、幹から離れた鉢のふちに近い位置に置くのが基本です。

よくある質問

いちじくの剪定を夏にやってしまいました。枯れますか?

軽い剪定であれば大きな問題はありません。ただし太い枝を切った場合は木が弱ることがあるので、切り口を癒合剤で保護し、その後は水切れに注意して様子を見てください。

植えたばかりの若い木も剪定していいですか?

植え付け1〜2年目は木を大きく育てる時期なので、強い剪定は控えめにします。主軸となる枝を決めて誘引し、不要な細い枝を間引く程度にとどめましょう。

剪定で切ったいちじくの枝は、挿し木に使えますか?

いちじくは挿し木で比較的増やしやすい果樹です。剪定で出た元気な枝を使えますが、成功しやすいのは春先の作業です。冬に切った枝を利用する場合は、乾燥しないよう保管しておくとよいでしょう。

何年も実がつきません。剪定のやり方が原因でしょうか?

剪定以外の要因も同じくらい多いので、順番に切り分けてみてください。日照が半日以下、肥料の窒素分が多い、植えてから数年しかたっていない、という場合は切り方を変えても改善しません。これらに当てはまらず、毎年きれいに枝をそろえて切っているなら、夏果種を強く切っている可能性が高いといえます。

切り口から出る白い液は、木にとって悪いものですか?

木の側から見れば、傷口をふさいで外敵を寄せつけないための防御反応にあたるものなので、出ること自体は異常ではありません。作業上で気にしたいのは癒合剤を塗るタイミングです。断面がしっかり乾いてから塗るのが基本で、にじみが残っているうちに塗ると薬剤が定着せず、水気を抱え込んだままふさぐことになります。

まとめ:時期と品種を押さえれば失敗しない

いちじくの剪定は、ポイントさえ押さえれば初心者でも難しくありません。最後に大切な点をまとめます。

この記事のまとめ

  • 剪定時期は12〜2月の落葉後(休眠期)
  • 夏果種は前年の枝を残し、切りすぎない
  • 秋果種は今年の枝に実がつくので強めに切ってよい
  • 切り口は癒合剤で保護し、寒肥で春に備える
  • 白い乳液は素手で触らず、手袋と長袖で作業する

まずは自分の育てているいちじくが夏果種か秋果種かを確認するところから始めましょう。タイプに合った切り方を覚えれば、毎年おいしい実を収穫できるようになります。

確認の手がかりは、去年いつ実が採れたかという記憶です。6〜7月に採れたなら夏果がつく木、8月以降だったなら秋果中心の木。思い出せないときは、今シーズンは強く切らずに収穫時期を記録し、来年の冬に判断してください。

同じ果樹の剪定について知りたい方は、みかんやヤマボウシの剪定時期の記事もあわせてご覧ください。

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