庭のりんごの木が年々大きくなって枝が混み合い、花は咲くのに実がほとんどつかない。どこを切ればいいのか分からず、なんとなく枝先をそろえて切っていないでしょうか。りんごは、実をつける枝の形がはっきり決まっている果樹です。
この記事では、りんごの剪定に向く時期と1年の作業の流れ、実がなる枝の見分け方、切る枝と残す枝、冬剪定の手順をまとめました。若木や鉢植えの切り方、失敗したときの直し方も紹介します。
りんごの剪定は、葉が落ちてから芽が動き出す前までの12〜3月に行います。寒い地域では厳しい寒さが過ぎた2〜3月が目安です。枝先は切りそろえず、短い枝の丸い花芽を残して、混んだ枝を付け根から間引きます。
りんごの剪定時期は12〜3月(落葉後〜芽が動く前)
りんごの剪定の中心は、冬の休眠期に行う「冬剪定」です。葉が落ちて木が休んでいる12〜3月なら、枝ぶりがよく見え、切っても木への負担が小さくてすみます。花芽と葉芽の形の違いが見分けやすいのもこの時期です。
ただし、りんごの手入れは冬の1回で終わりではありません。春の摘花・摘果、夏の徒長枝の整理まで含めて、1年を通して少しずつ手を入れると実つきが安定します。このあと、作業カレンダー、地域による時期のずれ、夏に強く切らない理由の順に見ていきます。
りんごの1年の作業カレンダー
りんごの作業は、冬に枝を整え、春に花と実の数を減らし、夏に混んだ枝を少し抜く、という流れで進みます。おおよその時期は次のとおりです。品種や地域で前後するので、自分の木の芽や花の様子に合わせて読み替えてください。
| 時期 | 作業 | ポイント |
|---|---|---|
| 12〜3月 | 冬剪定 | 骨格づくりと不要な枝の間引き。1年でいちばん大事な作業 |
| 4〜5月 | 開花・摘花 | 1つの花のかたまりに咲く5つほどの花のうち、真ん中の花(中心花)を残す |
| 5〜6月 | 摘果 | 花が散ったあと、実が小さいうちに数を減らす。4〜5つの花のかたまりに1果が目安 |
| 7〜8月 | 夏の枝の整理 | 真上に勢いよく伸びる徒長枝を、付け根から数本だけ間引く |
| 8〜11月 | 収穫 | 早生の品種は8月下旬ごろから、晩生の品種は11月ごろ |
| 11〜12月 | 落葉 | 葉が落ちたら冬剪定の準備。落ち葉や枯れ枝を片付ける |
家庭で育てる場合、すべてを完璧にこなす必要はありません。まずは冬剪定と摘果の2つを押さえるだけでも、実の大きさや翌年の実つきが変わってきます。
寒冷地・暖地での時期のずれ
12〜3月という幅は、住んでいる地域の寒さで前後します。東北や長野などの寒冷地では、寒さのいちばん厳しい時期を避けて、2〜3月ごろに作業することが多くなります。雪の多い地域では、雪解けを待ちながら4月上旬ごろまで続けることもあります。ただし春が暖かい年は芽の動きが早まるため、例年より早めに終える意識を持っておきましょう。
関東から西の平地のように冬が比較的暖かい地域では、落葉後の12月から2月までに済ませると安心です。3月に入ると芽がふくらみ始め、作業中に手や道具が触れて花芽を落としやすくなります。どの地域でも「芽が動き出す前に終える」と覚えておけば、時期を大きく外すことはありません。
夏に強く切らない理由
夏は枝葉が茂って混み合って見えるため、つい大きく切りたくなります。しかし葉は、実を甘く育て、翌年の花芽をつくるための養分を生み出す場所です。夏に枝をたくさん落とすと、実の味がのりにくくなったり、木が弱ったりします。
急に日当たりがよくなった実や枝が、日焼けすることもあります。夏に切るのは、真上に伸びた徒長枝や、実に日が当たらないほど混んだ枝を、付け根から数本間引く程度にとどめましょう。太い枝を落とす作業は、冬まで待つのが基本です。ほかの庭木と時期を比べたいときは、次の記事の早見表が便利です。

りんごの実がなる枝を見分ける
りんごの剪定でいちばん大事なのは、実がなる枝を見分けて残すことです。りんごの実は、おもに長さ数cmほどの短い枝(短果枝)の先についた花芽から育ちます。この花芽は前の年の夏ごろにつくられるため、冬に切り落とすと、その春の花と実がまるごとなくなります。
ここでは、花芽と葉芽の見分け方、枝の長さによる種類の違い、枝先を切りそろえると実がつかなくなる理由を説明します。実際の冬の枝を見ながら読むと、どこを残せばよいかがつかみやすくなります。

花芽と葉芽の違い
りんごの芽には、春に花と葉の両方が出る「花芽」と、葉と新しい枝だけが出る「葉芽」があります。冬に見比べると、形の違いがはっきりしています。
| 比べる点 | 花芽 | 葉芽 |
|---|---|---|
| 形 | 丸くふっくらしている | 細長く、先がとがる |
| 大きさ | 葉芽よりひと回り大きい | 小さい |
| つく場所 | 短い枝の先端に多い。品種によっては長い枝の葉のつけ根にもつく | 長い枝の途中に、枝に沿うようにつく |
| 春に出るもの | 5つほどの花と数枚の葉 | 葉と新しい枝 |
迷ったら、同じ木の短い枝の先についた芽と、長い枝の途中の芽を見比べてください。並べてみると、丸い芽と細い芽の違いがすぐに分かるようになります。
短果枝・中果枝・長果枝の違い
花芽がつく枝は、長さで呼び方が変わります。長さの区切りは資料によって多少違いますが、家庭での目安は次のとおりです。
| 枝の種類 | 長さの目安 | 特徴 | 剪定での扱い |
|---|---|---|---|
| 短果枝 | 5cm以下 | 先端に花芽がつきやすく、良い実がなりやすい | 残す。混んだ所だけ間引く |
| 中果枝 | 5〜15cmほど | 先端に花芽がつくことが多い | 先を切らずに残す |
| 長果枝 | 15cm以上 | 葉のつけ根に花芽(腋花芽)がつくことがある | 混み具合で間引く。先端は切り返さない |
| 徒長枝 | 長く、勢いが強い | 葉芽ばかりで実がつきにくい | 不要なら付け根から切る |
短果枝は、同じ場所で何年も続けて実をつけます。ただ、古くなると花芽が小さく弱くなるため、短果枝がついている側枝(主枝から出て実をつける枝)ごと、数年おきに若い枝へ入れ替えていきます。そのやり方は、次の「切る枝・残す枝」の中で説明します。
枝先を切りそろえると実がつかなくなる理由
生け垣のように枝先をそろえて切ると、短果枝や中果枝の先についた花芽をまとめて落としてしまいます。さらに、枝の途中で切ると、切り口の近くの芽から勢いのある枝が何本も伸び、木は枝葉を伸ばすほうに養分を使うようになります。
その結果、翌年は葉ばかり茂って花が少なくなり、また枝が混むので切る、という繰り返しに入りがちです。りんごでは、枝の途中で切る「切り返し」は若木の骨格づくりなど必要な所だけにして、混んだ枝は付け根から抜く「間引き」を中心にします。
りんごの剪定で切る枝・残す枝
切る枝の基本は、木の内側を日陰にする枝と、実をつけない勢いの強すぎる枝です。りんごは日当たりの悪い所の花芽が育ちにくく、実の色づきも悪くなります。木の内部までまんべんなく光と風が通るように、混み合った所から順に減らしていきます。
ここでは、切る枝の種類を表で確かめたあと、間引きと切り返しの使い分け、切る位置と切り口の手当てを説明します。一度に切る量は、全体の枝の3分の1までが目安です。それ以上切ると、翌年に徒長枝が一斉に伸びてきます。
切る枝6種と見分け方
| 枝の種類 | 見分け方 | 切る理由 |
|---|---|---|
| 枯れ枝 | 樹皮が茶色くしわが寄り、芽がふくらんでいない | 病気の入り口になる |
| 徒長枝 | 太い枝から真上に勢いよく伸びる長い枝 | 実がつきにくく、木の内側を日陰にする |
| 内向枝 | 木の中心に向かって伸びる枝 | 内側が混み、日当たりと風通しが悪くなる |
| 交差枝 | ほかの枝と交差したり、こすれ合ったりしている枝 | こすれた傷から病気が入りやすい |
| 下垂枝 | 下向きに垂れ下がった枝 | 勢いが弱く、良い実がなりにくい |
| ひこばえ・胴吹き枝 | 根元や幹の途中から出る細い枝 | 木の養分を横取りする |
同じ向きに並んで伸びる枝(平行枝)も、どちらか一方を残して整理します。どれから切るか迷ったら、まず枯れ枝とひこばえを片付け、次に徒長枝、内向枝の順に進めると、木の形が見えやすくなります。
間引きを基本にし、切り返しは最小限にする
間引き剪定は、枝を付け根から切り取る方法です。残った枝の先端はそのままなので、花芽を落とさず、新しい枝も出にくいのが利点です。実がなるようになったりんごの剪定は、この間引きで混み具合を整えるのが中心になります。
切り返し剪定は、枝の途中で切って先を短くする方法です。若木の主枝を太らせたいときや、伸びすぎた枝を外側の分かれ目まで戻したいときに使います。切るときは外向きの芽や、外側へ伸びる枝のすぐ上で切ると、その方向へ枝が伸びて内側が混みにくくなります。
実をつけて年数のたった側枝は、近くから出ている若い枝を育てておき、古い側枝と入れ替えます(側枝の更新)。毎年すべてを替えるのではなく、古いものから1〜2本ずつ入れ替えていけば、毎年実を取りながら若い枝を保てます。
切る位置と切り口の手当て
枝を付け根から切るときは、付け根にある少しふくらんだ部分(枝の襟)を残し、そのすぐ外側で切ります。幹に沿って深くえぐるように切ると傷が大きくなり、逆に長く残すと、残った部分が枯れ込んでしまいます。
りんごには、切り口や傷から病原菌が入り、樹皮が腐っていく「腐らん病」という病気があります。直径2〜3cm以上の枝を切ったときは、切り口に市販の癒合剤を塗って保護しておきましょう。樹皮が茶色く変色してへこんでいる枝を見つけたら、健全な部分まで切り戻します。
りんごの冬剪定のやり方
冬剪定は、木全体を見て方針を決め、太い枝から細い枝へと順に進めるのがコツです。いきなり細かい枝から切り始めると、あとで太い枝を落としたときに、手間をかけて整えた部分ごとなくなってしまいます。
ここでは、準備する道具、冬剪定の6つの手順、高くなりすぎた木を低くする方法を紹介します。作業は、切り口が乾きやすい晴れた日を選びましょう。慣れないうちは1日で終わらせようとせず、数日に分けて木の姿を確かめながら進めると、切りすぎを防げます。
準備する道具
- 剪定ばさみ(直径1〜2cmほどまでの枝)
- 剪定のこぎり(それより太い枝)
- 癒合剤(太い枝の切り口の保護)
- 園芸用の三脚、または脚立
- 厚手の手袋と保護めがね
- 切った枝をまとめるひもや袋
刃は使う前に汚れを拭き取り、切れ味を確かめておきます。切れない刃で枝をつぶすように切ると、切り口がなかなかふさがりません。三脚や脚立は平らで固い地面に立て、木に登ったり、枝に体重をかけたりしないでください。高い所の作業での脚立の立て方は、梅の剪定の記事でも詳しく紹介しています。

冬剪定の手順
手順は、全体を見る、要らない枝を抜く、混み具合を整える、古い枝を更新する、の順です。各STEPで切った量を確かめながら進めてください。
2〜3m離れて四方から眺め、残す主枝と、これ以上高くしたくない所、枝が混んでいる場所を決めます。近くで見ていると、全体の形が分からなくなります。
迷わず切れる枝から片付けます。根元のひこばえや幹から出た細い枝も、付け根から取ります。これだけで、残す枝が見えやすくなります。
真上に伸びた勢いの強い枝と、木の中心へ向かう枝を間引きます。徒長枝が多いときは全部を抜かず、横向きのものを何本か残すと、のちに実をつける枝として使えます。
重なった枝はどちらか一方を残し、垂れ下がった枝は付け根から切るか、上向きの分かれ目まで戻します。枝と枝の間に、手のひらが入るくらいのすき間ができれば十分です。
花芽が小さく、実が小さくなってきた古い側枝を1〜2本選び、近くに育てておいた若い枝を残して付け根から切ります。短果枝のついた若い枝は、先を切らずにそのまま残します。
太い枝の切り口に癒合剤を塗り、切った枝を集めます。最後にもう一度離れて全体を見て、内側まで光が入るかを確かめたら終わりです。
途中で、切った枝の量が全体の3分の1を超えそうだと感じたら、その年はそこで止めます。残りは翌年の冬に回しても、木にとっては問題ありません。
高くなりすぎた木を2〜3年かけて低くする
庭のりんごが手の届かない高さになったら、幹を一度に切り詰めるのではなく、2〜3年かけて少しずつ低くします。一気に大きく切ると、切り口の周りから徒長枝が大量に伸び、数年は実がつきにくくなるからです。
方法は、高い位置の太い枝を、それより低い位置にある外向きの枝の分かれ目まで戻して切ることです(芯止め)。太い枝は、枝の重みで樹皮が裂けないよう「3段切り」にします。付け根から20〜30cm先の下側に浅く切り込みを入れ、その少し先を上から切って枝を落とし、最後に残った部分を枝の襟の外側で切ります。
3段切りの流れや、木を小さくするときの枝の譲り方は、もみじの剪定の記事でも図解しています。樹種は違っても、太い枝の落とし方は同じです。

木の大きさ・育て方別のりんごの剪定のコツ
同じりんごでも、植えたばかりの若木、鉢植え、受粉のために姫りんごと並べて育てている庭とでは、剪定の目的が少しずつ違います。若木は実を急がずに骨格をつくること、鉢植えは小さく保つこと、受粉樹は花を残すことが優先です。
自分の木がどれに当たるかを確かめてから読んでください。苗木の説明書きに台木の種類が書いてあれば、育つ大きさの目安になります。わい性台木(木を小さくおさえる台木)の苗は高さ3m前後におさまりやすく、普通の台木だと5m以上に育つこともあります。
植え付けて間もない若木
苗木を植えたら、地面から50〜80cmほどの高さで、よい芽のすぐ上を切って幹の先を切り詰めます(苗の説明書きに指定があれば、そちらに従ってください)。切った所の下から何本か枝が伸びるので、翌年の冬に、向きのよい2〜3本を主枝として残し、ほかは間引きます。わい性台木の苗では、幹を1本まっすぐ立て、そこから横へ枝を出す形に仕立てることが多いです。
植えてから数年は、木の骨格をつくる時期です。主枝の先端は毎年少し切り返し、太く丈夫に育てます。この時期に実をつけすぎると木が大きくなりにくいため、花が咲いても実はごく少なくするか、摘み取ってしまうと安心です。
鉢植え・わい性台木のりんご
鉢植えのりんごは、鉢の大きさに合わせて木を小さく保つことが目的です。高さは鉢を含めて1〜1.5mほどにおさめ、伸びすぎた枝は冬に付け根から間引きます。根を張れる量が限られるので、実の数は控えめにすると木が疲れにくくなります。
わい性台木の木は、早くから短果枝ができて実がつきやすい反面、勢いが弱りやすい性質があります。実をつけすぎた翌年は、摘果を早めて数を減らしてください。鉢植えは2〜3年に1回、休眠期に植え替えて根を整理すると、枝の伸びと花芽のつき方が安定します。
姫りんご(クラブアップル)を受粉樹として植えている場合
りんごの多くの品種は、自分の花粉では実がつきにくい性質を持っています。そのため、別の品種や姫りんご(クラブアップル)を近くに植えて、受粉させることがよくあります。受粉樹で大切なのは、りんごと同じ時期に花が咲くことです。
姫りんごもりんごの仲間なので、剪定の時期や考え方は同じで、冬に混んだ枝を間引きます。ただし、受粉樹は花を咲かせるのが役目なので、花芽のついた短い枝を多めに残してください。庭に場所がないときは、鉢植えの姫りんごを花の時期だけりんごの近くに置く方法もあります。
りんごの剪定の失敗とリカバリー・業者に頼む目安
りんごの剪定で起きやすい失敗は、切りすぎ、切る場所の間違い、切り口の手当て不足の3つにほぼまとめられます。どれも1年ですぐ元に戻るとは限りませんが、次の冬からの切り方を見直せば、少しずつ立て直せます。
ここでは、よくある失敗と直し方の表、実がならないときに剪定以外で確かめること、自分で切るのをやめて業者に頼む目安を紹介します。原因を1つに決めつけず、表の症状と自分の木の様子を見比べてください。
よくある失敗4つと直し方
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 枝先を切りそろえた | 花芽が落ち、翌年は葉ばかりで花が少ない | 次の冬は切り返しをやめ、間引きだけにする |
| 一度に強く切りすぎた | 切り口の周りから徒長枝が何本も伸びる | 夏に一部を付け根から抜き、残りは翌冬に整理する。一度に全部抜かない |
| 太い枝を雑に切った | 樹皮が裂けたり、切り口から傷んだりする | 裂けた部分をきれいに切り直し、癒合剤を塗る |
| 実をならせすぎた | 翌年に実がほとんどつかない(隔年結果) | 摘果で数を減らす。花芽が多すぎる年は冬に短果枝を少し間引く |
実が多い年と少ない年が交互に来る隔年結果は、りんごに限らず多くの果樹で起きます。剪定と摘果を組み合わせて毎年の実の数をならす考え方は、柿の剪定の記事でも紹介しています。

実がならないときは受粉樹も確かめる
剪定を見直しても、花は咲くのに実がつかない場合は、受粉に原因があることがあります。りんごの多くの品種は1本だけでは実がつきにくく、近くに花の時期が合う別の品種がないと、花が咲いても実が育たずに落ちてしまいます。
また、「ジョナゴールド」や「陸奥(むつ)」のように花粉が少なく、受粉樹に向かない品種もあります。苗を買うときの説明書きや園芸店で、組み合わせてよい品種を確かめてください。花の時期に雨や低温が続いて虫が飛ばないと、受粉がうまくいかない年もあります。
業者に頼む判断ラインと越境枝
次のようなときは、無理に自分で切らず、植木屋や造園業者に相談するほうが安全です。
- 脚立のいちばん上の段に乗らないと届かない枝がある
- 直径10cmを超える太い枝や、幹そのものを切る必要がある
- 電線の近くまで枝が伸びている(感電のおそれがあるので電力会社にも相談する)
- 幹や太い枝の樹皮が広い範囲で変色し、病気が疑われる
- 枝が隣の家の敷地にはみ出している
隣の敷地にはみ出した枝は、2023年4月に施行された改正民法233条で扱いが変わりました。枝の持ち主に切るよう求めても相当の期間内に切らない場合や、持ち主が分からない場合、急ぐ事情がある場合は、隣の人が自分で枝を切れるようになっています。トラブルになる前に、越境している枝は冬剪定のときに切っておきましょう。
りんごの剪定についてよくある質問
- りんごの剪定は、収穫が終わった秋にしてもいいですか?
-
葉が残っているうちは、葉がつくった養分を枝や根にためている途中です。この時期に枝を多く切ると、その養分ごと失うことになります。収穫後は枯れ枝や折れた枝を取る程度にして、本格的な剪定は葉が落ちてから行いましょう。
- りんごの木を剪定しないと、どうなりますか?
-
枝が年々混み合い、木の内側に日が当たらなくなります。内側の花芽が育たず、実は木の外側の高い所にばかりつくようになり、実が小さくなったり色づきが悪くなったりします。風通しが悪くなるため、病気や害虫も増えやすくなります。
- 植えてから何年くらいで実がなりますか?
-
苗の台木や育て方で差がありますが、植え付けから3〜5年ほどが一つの目安です。わい性台木の苗は早めに実がつく傾向があります。最初の数年は骨格づくりを優先し、実を急がないほうが、その後の実つきが安定します。
- 剪定した枝を挿し木にして増やせますか?
-
りんごは挿し木で根が出にくい果樹で、苗木は台木に枝をつなぐ接ぎ木でつくるのが一般的です。剪定した枝を挿しても、育てられるほどの苗になることはまれです。木を増やしたい場合は、台木の種類が分かる接ぎ木苗を買うのが確実です。
- 剪定のあとに肥料は必要ですか?
-
剪定そのものに合わせて肥料をあげる必要はありません。ただ、冬剪定と同じ休眠期に、春からの生長に備える肥料(寒肥)をあげるのが一般的です。量は木の大きさや肥料の種類で変わるので、袋の表示に従ってください。与えすぎると枝ばかり伸びて、実つきが悪くなることがあります。
まとめ
りんごの剪定は、葉が落ちてから芽が動き出す前までの12〜3月に、冬剪定として行います。寒冷地では厳しい寒さが過ぎた2〜3月が目安です。夏は徒長枝を数本間引く程度にとどめ、太い枝は冬に切りましょう。
実は、短い枝の先についた丸い花芽からなります。枝先を切りそろえると花芽を落とし、葉ばかり茂る木になってしまうため、混んだ枝は付け根から間引くのが基本です。
- 時期は落葉後〜芽が動く前の12〜3月(寒冷地は2〜3月)
- 丸くふっくらした花芽のついた短い枝を残す
- 枯れ枝・徒長枝・内向枝などを付け根から間引く
- 一度に切るのは全体の3分の1まで。高い木は2〜3年かけて低くする
- 太い枝の切り口には癒合剤を塗る
葉が落ちたら、まずは木から少し離れて全体を眺め、短い枝の先に丸い芽がどれくらいあるかを確かめてみてください。残す枝が見えてくると、切る枝も自然に決まってきます。
