庭木の剪定時期は木のタイプで決まる!月別早見表と避ける時期

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庭木の剪定は、木によって切ってよい時期がばらばらで、カレンダーを見ても迷いがちです。去年と同じ月に切ったのに今年は花が咲かなかった、真夏に枝を払ったら葉が茶色くなった、という失敗も珍しくありません。こうした失敗の多くは、切り方より先に時期が木に合っていないことが原因です。

この記事では、庭木のタイプ別の剪定時期、今月切ってよい木がひと目でわかる月別カレンダー、時期を外したときに起きること、主な庭木22種の適期、庭の剪定で失敗しない切り方の基本までをまとめました。

庭木の剪定時期は、落葉樹は12〜2月、常緑広葉樹は3〜4月と梅雨入り前、針葉樹は3〜4月、春から初夏に咲く花木は花が終わった直後が基本です。真夏と真冬の強い剪定は、どのタイプでも避けるのが無難です。

目次

庭木の剪定時期は「木のタイプ」で決まる

庭木の剪定時期は、一本ずつ覚えなくても、冬に葉を落とすか、一年中葉をつけているか、葉が針のように細いか、花を楽しむ木か、の4つの分け方でおおよそ決まります。基準になるのは、木が休んでいて切られても負担が少ない時期と、翌年の花のもとになる芽(花芽)をまだつくっていない時期の2つです。まずは次の早見表で、庭の木がどのタイプに入るかを確かめてください。実を収穫する果樹は、切る時期は落葉樹か常緑樹かで決まり、実のつき方で前後するため、最後に分けて説明します。

タイプ主な木しっかり切る時期軽く整える時期
落葉樹もみじ、ヤマボウシ、ハナミズキ、サクラ12〜2月(落葉後〜芽吹き前)6〜7月(混み合った枝の整理)
常緑広葉樹シマトネリコ、キンモクセイ、オリーブ、カシ類3〜4月(新芽が動く前後)5〜6月、9〜10月
針葉樹コニファー、マツ、イヌマキ3〜4月(新芽が出る前後)10〜11月(伸びた分だけ)
春〜初夏に咲く花木ツツジ、サツキ、アジサイ、ツバキ花が終わった直後冬は枯れ枝の整理のみ
果樹梅、柿、いちじく、みかん落葉果樹は12〜2月、常緑果樹は2〜3月夏は勢いの強い枝の整理のみ

落葉樹は12〜2月の休眠期

秋に葉を落とす木は、落葉してから芽が動き出す前までの12〜2月が剪定の本番です。木が休眠しているため、太い枝を落とすような強い剪定をしても負担が小さく、葉がないぶん枝の重なりや樹形の乱れも見渡せます。

ただし、早く落葉する木は11月から、芽吹きが遅い地域では3月上旬まで作業できます。もみじのように樹液が多い木は、芽が動き出す直前に切ると切り口から樹液が流れ出しやすいので、1月中に終えておくと安心です。

常緑広葉樹は3〜4月と梅雨入り前の5〜6月

一年中葉をつけている広葉樹は、寒さに比較的弱いものが多く、冬に強く切ると切り口から枝が傷みやすくなります。適期は、寒さがゆるんで新芽が動き出す3〜4月と、春の新芽が固まって梅雨に入る前の5〜6月です。

9〜10月にも、夏に伸びた枝を軽く整えることはできます。ただ、この時期に強く切ると、新しく出た芽が寒くなるまでに固まらず、冬の寒さで傷むことがあります。秋は「飛び出した枝を切りそろえる程度」と決めておきましょう。

針葉樹は3〜4月(秋は伸びた分だけ整える)

コニファーやイヌマキなどの針葉樹は、新芽が出る直前から伸び始めのころ、3〜4月に切ると、切り口が新しい葉ですぐに隠れて目立ちません。針葉樹の多くは、葉のない古い枝まで深く切り込むと、そこから新しい芽が出にくい性質があります。切るのは緑の葉が残る範囲までにとどめてください。

秋の10〜11月は、夏に伸びて形からはみ出した部分を整える軽い刈り込みに向いています。マツは例外で、春の4〜5月に新芽を摘む「みどり摘み」と、秋から冬(10〜12月ごろ)に古い葉を抜く「もみあげ」の年2回の手入れが基本です。

花木は「花が終わった直後」が基本

春から初夏に咲く花木の多くは、花が終わってしばらくすると、翌年に咲く花芽をつくり始めます。花芽ができたあとに枝先を切ると、翌年の花も一緒に切り落とすことになります。そのため、花が散ったらなるべく早く、遅くとも花芽ができる前に剪定を終えるのが原則です。

花木でも、ハナミズキやヤマボウシのように落葉する木は、冬の休眠期に枝の整理ができます。その場合は、丸くふくらんだ花芽を見分けて残し、花芽のない枝を中心に間引きます。花木の扱いは「いつ花芽をつくるか」で決まると覚えておくと、知らない木でも判断しやすくなります。

果樹は休眠期の冬(実のつき方で前後する)

実を収穫する木も、基本はほかの庭木と同じで、梅・柿・いちじくのように落葉する果樹は12〜2月、みかんやオリーブのような常緑の果樹は寒さが落ち着く2〜3月に剪定します。違うのは、実がなる枝の位置が樹種ごとに決まっていることです。

たとえば柿は前の年に伸びた枝の先のほうに、梅は短い枝に、花芽がつきます。ほかの庭木と同じ感覚で枝先をそろえて切ると、翌年の実を落としてしまうことがあるため、果樹は時期に加えて「どの枝に実がなるか」を樹種別に確かめてから切ってください。

月別カレンダー|今月切ってよい木・控えたい木

「今月、庭のどの木なら切ってよいか」は、次のカレンダーで確かめられます。◎はしっかり切ってよい時期、○は形を整える程度なら問題ない時期、△は枯れ枝や混み合った枝の整理だけにとどめたい時期、×は避けたい時期です。表は本州の平地を基準にしています。花木の列は、ツツジやアジサイのように春から初夏に咲く木を想定しました。秋から冬に咲くサザンカなどは、花後の早春が適期になります。そのあとのH3で、地域によるずれと、真夏・秋に強く切らない理由を説明します。

月落葉樹常緑広葉樹針葉樹春〜初夏の花木
1月◎××△
2月◎△(下旬から)△(下旬から)△
3月○(芽が動く前まで)◎◎×(咲く前)
4月×◎◎○(咲き終えた木から)
5月×○○◎(花後すぐ)
6月△◎(梅雨入り前)△○(6月中に終える)
7月△△××
8月××××
9月△○△×
10月△○○×
11月○(落葉したら)△○△
12月◎××△

枯れた枝、折れた枝、通路や窓をふさいで危ない枝は、時期を問わず付け根から切ってかまいません。表の×は、形を整えるための剪定を控えたいという意味です。

寒冷地と暖地で1か月前後ずれる

カレンダーの月は目安で、実際の適期は地域の寒さで前後します。雪が多い地域や冬の最低気温が大きく氷点下になる地域では、落葉樹でも真冬に切った切り口が寒さで傷むことがあります。いちばん寒い時期を避け、2月下旬から芽が動く前までに作業すると安全です。常緑樹の春の剪定も、桜が咲くころを目安に後ろへずらします。

反対に暖かい地域では、芽の動き出しも花の終わりも早まります。日付で決めるより、「葉がほとんど落ちたら冬の剪定を始める」「枝先の芽がふくらんで緑が見えたら終える」「花が7〜8割散ったら花木を切る」と、木の様子を合図にすると地域差に振り回されません。

真夏(7〜9月中旬)と秋に強く切らない理由

真夏は、木が強い日差しと暑さの中で水を盛んに吸い上げ、葉で養分をつくっている時期です。ここで枝葉を大きく減らすと、養分が足りなくなるうえ、それまで葉の陰にあった幹や枝に急に直射日光が当たり、樹皮が日焼けして傷むことがあります。作業する人にとっても熱中症の危険が高い時期なので、真夏は伸びすぎた枝を数本切る程度にしておきましょう。

9〜10月は、暑さがやわらいで作業しやすい反面、多くの花木が翌年の花芽をすでにつけています。刈り込むと花芽をまとめて落とします。さらに強く切ると秋に新しい芽が出て、寒くなるまでに固まらず傷みやすくなります。秋の剪定は、形からはみ出した枝を整える範囲にとどめるのが安全です。

剪定の時期を外すと何が起きる?

時期を外したときに起きることは、大きく分けて「翌年の花や実が減る」「木が弱ったり枝が枯れ込んだりする」の2つです。前者は花芽ができる時期と剪定のタイミングがずれたとき、後者は木の体力が落ちている時期に切りすぎたときに起こります。どちらも、たいていは1回の失敗で木が枯れるわけではなく、翌年以降の切り方で立て直せます。ここでは2つの仕組みと、時期によって切る量を変えるための「強い剪定」と「軽い剪定」の違いを説明します。仕組みがわかると、カレンダーに載っていない木でも適期の見当がつけられます。

花芽ができたあとに切ると翌年咲かない・実がならない

花芽がつく時期は、木によって決まっています。ツツジは花が終わったあとの6月中旬〜7月ごろ、アジサイは秋の9〜10月ごろに翌年の花芽をつくります。花芽ができたあとで枝先を刈り込むと、翌年はほとんど咲かなくなります。

花芽は、葉のもとになる芽(葉芽)に比べて丸く、ふっくらしているものが多いので、冬の剪定でも見分けの手がかりになります。「去年まで咲いていたのに、剪定した年から咲かない」という場合は、切った時期が花芽のできたあとだった可能性が高いと考えてください。次の年は花後すぐに切る、冬は花芽のない枝だけを間引く、と切り方を変えれば、たいていは翌々年までに戻ります。

冬の枝で、丸くふっくらした花芽と、細くとがった葉芽を見比べられるイメージ

真夏・真冬の強い剪定で木が弱る・枯れ込む

木は、葉でつくった養分を幹や根にためて、冬を越したり春に芽を出したりしています。葉が茂っている夏に枝葉を半分近くも減らすと、つくれる養分が一気に減り、木が弱る原因になります。弱った木は、病気や害虫にも負けやすくなります。

一方、常緑樹や寒さに弱い木を真冬に強く切ると、切り口がふさがらないまま寒さにさらされ、切った所から枝の奥へ向かって枯れが進む「枯れ込み」が起きやすくなります。落葉樹が冬に強く切れるのは、休眠していて切り口からの水分や養分の損失が少ないためで、同じ冬でも常緑樹は事情が違います。

強い剪定と軽い剪定の違い

剪定には、木の骨組みから見直す「強い剪定(強剪定)」と、形を整える「軽い剪定(弱剪定)」があります。カレンダーで◎の時期は強い剪定、○や△の時期は軽い剪定まで、と使い分けるのが基本です。

種類やること向く時期
強い剪定太い枝を付け根から落とす、高さを下げる、樹形を大きく変える落葉樹は12〜2月、常緑樹は3〜4月
軽い剪定伸びすぎた枝の先を切る、混み合った細い枝を間引く、表面を刈りそろえる強い剪定の時期以外の、生育が穏やかな時期(真夏を除く)

迷ったときは、切る量を少なめにしておけば大きな失敗にはなりません。足りなければ、次の適期にもう一度切ればよいのです。

主な庭木の剪定時期一覧

ここでは、家庭の庭でよく見かける22種の剪定時期を、花木・果樹・シンボルツリーと生け垣の3つに分けてまとめました。同じタイプの中でも、花芽をつくる時期や寒さへの強さで適期は前後します。表の時期は本州の平地での目安なので、寒冷地・暖地では前の章のとおり前後させてください。樹種名にリンクがある木は、切る枝の見分け方や手順を個別の記事で詳しく解説しています。リンクのない木は、表の「ポイント」の欄を目安にしつつ、タイプ別の早見表の考え方で判断してください。

花木(ツツジ・サツキ・アジサイ・ツバキなど)

花を楽しむ木は、花後すぐが基本です。花芽をつくる時期が木ごとに違うため、「いつまでに終えるか」の期限もあわせて確認しておきます。

樹種剪定の時期ポイント
ツツジ花後すぐの5〜6月上旬6月中旬以降は花芽ができ始めるので、それまでに終える
サツキ花後の6〜7月上旬ツツジより開花が遅いぶん、剪定も1か月ほど遅くなる
アジサイ花後〜7月中花から2〜3節下で切る。秋以降に枝先を切ると翌年咲かない
ツバキ花後の3〜4月夏に花芽がつくので、夏以降は枝先を切らない
サザンカ花後の3〜4月ツバキと同じ考え方。秋から冬に咲くので花後は早春になる
サクラ落葉期の12〜2月太い枝の切り口から傷みやすい。細い枝の整理にとどめる
ハナミズキ花後の5〜6月、落葉期の12〜2月夏に花芽がつく。強めに切るなら花後、冬は丸い花芽を残して不要な枝だけ間引く
ヤマボウシ落葉期の11〜2月花芽を見分けて残す。4〜10月の強い剪定は避ける
ラベンダー花後と秋(9月下旬〜10月)の年2回葉のない茶色い部分まで切り詰めない

果樹(梅・柿・いちじく・みかん・オリーブ)

果樹は、時期よりも「実がなる枝を残せるか」で結果が分かれます。樹種ごとの切り方は、リンク先の記事を確かめてから作業してください。

樹種剪定の時期ポイント
梅11月下旬〜1月中旬花芽が短い枝につく。花梅と実梅で切り方が違う
柿12〜2月前の年に伸びた枝の先に実がつく。枝先をそろえて切らない
いちじく12〜2月夏果と秋果で残す枝が違う
りんご12〜3月短い枝の先の丸い花芽に実がつく。寒冷地は2〜3月
みかん2〜3月常緑の果樹。寒さで傷むので真冬は避ける(切る枝の見分け方はみかんの剪定)
オリーブ2月中旬〜3月中旬前の年に伸びた枝に花芽がつく。5月以降の強い剪定は実つきが落ちる

シンボルツリー・生け垣(もみじ・シマトネリコ・コニファーなど)

玄関先や庭の中心に植える木、目隠しの生け垣は、花や実よりも高さと形を保つことが目的になります。成長の早い木は、適期に毎年切る習慣をつけると大きくなりすぎません。

樹種剪定の時期ポイント
もみじ落葉後〜1月樹液が多い。ぶつ切りにせず、枝の分かれ目で切る
シマトネリコ3〜4月、または6〜7月上旬成長が早い常緑樹。寒さに弱いので冬は切らない。花や実を楽しむなら6月は避ける
ユーカリ3〜5月と9〜10月真夏と冬は枯れ込みやすい。強い剪定は春に
キンモクセイ3〜4月(強め)、花後の10〜11月(軽め)夏に花芽がつくので、7〜9月は枝先を切らない
レッドロビン(生け垣)5〜6月と9〜10月の刈り込み刈り込んだあとに出る赤い新芽を楽しめる
コニファー3〜4月(10〜11月に軽く)葉のない部分まで深く切ると芽が出にくい
マツ4〜5月(みどり摘み)、10〜12月ごろ(もみあげ)はさみで刈り込まず、新芽や古い葉を手で摘む

時期が合っていても失敗しない庭の剪定の基本

適期に切っても、切る枝や切る位置を間違えると、枝が暴れたり枯れ込んだりします。庭の剪定は、どの木でも「いらない枝を付け根から抜く」「残す枝は芽の少し上か分かれ目で切る」「一度に切りすぎない」の3つを守れば、大きく外すことはありません。ここではその3つを順に説明します。樹種ごとの細かな手順は個別記事にゆずり、どの庭木にも共通する考え方だけをまとめました。作業は晴れて風の弱い日を選び、切り口が乾きにくい雨の日や雨の前日は避けると、切り口から病気が入りにくくなります。

先に切る枝6種(不要枝)

剪定は、迷わず切れる枝から手をつけると、全体の形が見えてきて切りすぎを防げます。次の6種類は、どの庭木でも付け根から切ってよい枝です。

不要枝見分け方切る理由
枯れ枝芽や葉がなく、折ると乾いた音がする病気や害虫のすみかになる
徒長枝(とちょうし)幹や太い枝から真上に勢いよく伸びた枝樹形を乱し、花や実がつきにくい
ひこばえ・胴吹き枝株元や幹の途中から出た細い枝養分を取られ、主な枝が弱る
内向枝(ふところ枝)木の中心に向かって伸びる枝内側が混み合い、風通しが悪くなる
交差枝ほかの枝と交差している枝こすれて傷がつく。弱いほうを1本切る
平行枝近い位置で同じ向きに並んで伸びる枝日当たりを奪い合う。どちらか1本を切る

切る位置は枝の付け根か外芽の上

枝を付け根から切るときは、枝の根元にある少しふくらんだ部分(枝の襟)を残し、そのすぐ外側で切ります。ふくらみごと削ると傷口が大きくなり、長く残すと残った部分が枯れて腐りの入り口になります。

枝を短くしたいときは、木の外側を向いた芽(外芽)の5mmほど上で、芽と同じ向きに少し斜めに切ります。次に伸びる枝が外へ向かうので、内側が混み合いません。太い枝を途中でぶつ切りにすると、切り口の下から勢いの強い枝が何本も出て、かえって形が乱れます。短くするときは、外向きに伸びた細い枝の分かれ目まで切り下げるのが基本です。

枝の付け根のふくらみ(枝の襟)の外側で切る位置と、外芽の少し上で斜めに切る位置を示したイメージ

1回に切るのは全体の3分の1まで・太い枝は3段切り

大きくなりすぎた木を一度に小さくしようとすると、木が勢いを取り戻そうとして徒長枝が大量に出たり、弱ったりします。1年に切る量は枝葉全体の3分の1程度までを目安にし、高さを大きく下げたいときは2〜3年に分けて切り下げましょう。

腕ほどの太さの枝は、いきなり付け根で切ると重みで裂け、幹の樹皮まではがれることがあります。付け根から20〜30cm外側で下から切れ込みを入れ、その少し外側を上から切り落としてから、残った部分を付け根で切り直す「3段切り」で落とします。親指より太い枝の切り口には、市販の癒合剤(ゆごうざい)を塗っておくと、乾燥や病原菌の侵入を防げます。

自分で切るか、業者に頼むかの分かれ目

庭木の剪定で多い事故は、脚立からの転落と、切った枝の落下です。手が届く高さの木を、適期に、少しずつ切るのであれば、家庭でも十分に対応できます。一方で、高さ・枝の太さ・周りの状況によっては、自分で作業するより業者に任せたほうが安全で、結果的に木にとってもよい場合があります。ここでは安全に作業するための注意、隣の家に伸びた枝の扱い、業者に頼んだほうがよい判断ラインを順にまとめます。作業の前に、どこまで自分で切り、どこから任せるかを決めておくと、途中で無理をせずに済みます。

脚立・高所・電線まわりの安全

庭での作業には、3本脚の園芸用脚立(三脚脚立)が向いています。平らで固い地面に立て、支えの1本脚を木の側に向けて開きます。天板やその1段下には立たず、体を大きく乗り出さないようにしてください。手が届かない枝は、脚立を動かしてから切るか、高枝切りばさみを使います。

作業は家族に声をかけ、できれば2人で行うと、脚立を押さえてもらえて安心です。切った枝が落ちる方向に人や車、窓ガラスがないことも先に確かめます。枝が電線に触れている、または切った枝が電線に当たりそうな場合は、感電のおそれがあるので自分では切らず、電力会社や業者に相談してください。

庭の剪定で使う道具
  • 剪定ばさみ:直径1.5cmほどまでの枝に使う
  • 剪定のこぎり:それより太い枝に使う。刃渡り20cm前後の折りたたみ式が扱いやすい
  • 刈り込みばさみ:生け垣や丸く仕立てた木の表面をそろえる
  • 高枝切りばさみ:脚立でも届きにくい高さの細い枝に使う
  • 三脚脚立・革手袋・保護めがね・帽子:転落と枝先・木くずから身を守る

隣の家に伸びた枝(越境枝)と民法233条

庭木の枝が境界を越えて隣の敷地へ伸びている場合、まずは木の持ち主が自分で切るのが原則です。2023年4月に施行された改正民法233条では、越境された側が持ち主に切るよう求めても相当の期間内に切ってもらえないとき、持ち主がわからないとき、急いで切る必要があるときには、越境された側が自分で枝を切れるようになりました。

ご近所とのトラブルを防ぐには、剪定の適期が来たら、境界側の枝から優先して整理しておくのが近道です。落ち葉や実、花がらが隣の敷地に落ちやすい木は、その時期の前に枝を短くしておくと、苦情になりにくくなります。

業者に頼む判断ライン

次のどれかに当てはまる場合は、無理に自分で切らず、造園業者や植木屋への依頼を考えましょう。

  • 切りたい枝が、脚立に乗っても手が届かない高さにある
  • 腕より太い枝を、何本もまとめて落とす必要がある
  • 枝の近くに電線や、屋根・カーポートなど傷つけたくない物がある
  • 幹に穴があき、根元に木くずがたまっている(幹の中に虫が入っている可能性)
  • 隣の敷地に入らないと切れない位置まで枝が伸びている

業者に頼む場合も、繁忙期の冬や梅雨入り前は予約が埋まりやすいので、適期の1か月ほど前に相談しておくと希望の時期に作業してもらいやすくなります。花を咲かせたい木や実をならせたい木は、その希望を最初に伝えておきましょう。

庭木の剪定時期でよくある質問

適期を逃してしまったら、翌年まで待つしかありませんか?

形を整える剪定は、次の適期まで待つのが安全です。ただし枯れ枝や折れた枝、通路をふさぐ枝は、時期に関係なく付け根から切ってかまいません。伸びすぎが気になるときは、飛び出した数本だけを軽く切って、本格的な剪定は次の適期に回しましょう。

庭の木の名前がわからないときは、いつ切ればいいですか?

まず冬に葉が落ちるかどうかを確かめます。落ちる木なら12〜2月、一年中葉がある木なら3〜4月が無難です。花が咲く木なら、花が終わった直後に軽く切るところから始めると、翌年の花を落とす心配が少なくなります。

剪定と刈り込みは何が違いますか?

剪定は枝を1本ずつ選んで切ることで、刈り込みは刈り込みばさみで木の表面をまとめて切りそろえることです。生け垣や丸く仕立てた木は刈り込みで形を保ちますが、内側が混み合ってくるので、ときどき剪定で枝を間引くと風通しがよくなります。

植えたばかりの木は、いつから剪定すればいいですか?

植え付けた年は根を張ることを優先し、枯れ枝や傷んだ枝を切る程度にとどめます。強い剪定は、新しい枝が元気に伸びて根付いたことを確かめてから、次の適期に始めると安心です。

切った枝はどう処分すればいいですか?

多くの自治体では、決められた長さと太さに切りそろえ、ひもで束ねれば家庭ごみとして出せます。長さや束の大きさ、一度に出せる量は自治体ごとに違うので、お住まいの地域のごみの出し方を確認してください。量が多いときは、剪定枝を持ち込める施設を案内している自治体もあります。

まとめ

庭木の剪定時期は、木のタイプでおおよそ決まります。落葉樹は休眠している12〜2月、常緑広葉樹は寒さがゆるむ3〜4月と梅雨入り前、針葉樹は新芽が出る前後の3〜4月、春から初夏に咲く花木は花が終わった直後が基本です。時期を外すと、花芽を切って翌年咲かなくなったり、木が弱って枯れ込んだりします。迷ったら切る量を少なめにして、本格的な剪定は次の適期に回しましょう。

庭木の剪定時期のポイント
  • 落葉樹は12〜2月、常緑広葉樹は3〜4月と5〜6月、針葉樹は3〜4月
  • 花木は花後すぐ。花芽ができる前に終える
  • 果樹は時期に加えて、実がなる枝を樹種別に確かめてから切る
  • 寒冷地・暖地では、日付より葉と芽の様子を合図にする
  • 手が届かない高さ、太い枝、電線の近くは業者に任せる

庭の木がどのタイプかを確かめ、月別カレンダーで今月切ってよいかを見てから、はさみを入れましょう。適期に少しずつ切る習慣がつけば、庭木は大きくなりすぎず、毎年きれいに花や葉をつけてくれます。

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