お気に入りのリネンシャツを洗ったら、ひと回り小さくなった気がする。干したあとのシワがひどくて、アイロンをかけても取りきれない。麻の服は涼しくて手触りもよい反面、「家で洗うと失敗しそう」と感じて、クリーニングに出すか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、リネン(麻)が家で洗えるかの見分け方、縮みとシワが出る理由、洗濯機での手順、シワを残さない干し方とアイロン、シャツ・パンツ・シーツ・ふきんのアイテム別のコツ、縮んだときや色落ちしたときの対処までをまとめました。
リネンは、洗濯表示で水洗いができる物なら家で洗えます。縮みとシワを防ぐ決め手は、30℃以下の水で弱く洗い、脱水を短くして、干す前に形を整えることの3つです。
リネン(麻)は家で洗える?洗濯表示で先に判断する
リネンはもともと水に強い繊維で、ふきんやシーツのように何度も洗って使う布にも使われてきました。そのため、素材そのものが「家で洗えない」わけではありません。ただし、服になると裏地や芯地、プリーツ加工、濃い染めなど、リネン以外の部分が洗えるかどうかを左右します。最初に見るのは素材名ではなく洗濯表示です。ここでは、洗濯表示の3つのパターン、「麻」と書かれた表示の中身、表示上は洗えても家で洗わないほうがよい服の順に整理します。
洗濯表示の3パターンで洗い方を決める
洗濯表示の「桶」のマークを見れば、家で洗えるかどうかと洗い方の強さがわかります。リネンの服でよく見かけるのは次の3パターンです。
| 洗濯表示 | 意味 | リネンでの洗い方 |
|---|---|---|
| 桶に数字(下に線なし・1本線) | 洗濯機で洗える | ネットに入れ、弱めのコースで洗う |
| 桶に数字+下に2本線 | 洗濯機の非常に弱い処理で洗える | おしゃれ着用のコース(手洗い・ドライ等)で洗う |
| 桶に手のマーク | 手洗いができる | 洗面器で押し洗いする |
| 桶にバツ | 家庭での水洗いはできない | クリーニング店に相談する |
桶の中の数字は液温の上限です。リネンは「40」と書かれていても、縮みを抑えたいなら30℃以下の水で洗うほうが安心です。記号の細かい読み方は、洗濯表示マークの記事でまとめています。

「麻」の表示はリネンとラミーの2種類
服の品質表示に「麻」と書かれている場合、その中身は主に亜麻(あま)と苧麻(ちょま)の2種類です。亜麻がいわゆるリネン、苧麻がラミーで、どちらも植物の茎からとる繊維です。家庭用品品質表示法では、「麻」と表示できるのはこの2つに限られ、ヘンプ(大麻)やジュート(黄麻)などは「指定外繊維」として別の書き方をします。
リネンはしなやかで肌あたりがやわらかく、ラミーはハリとシャリ感が強めです。洗い方の基本はどちらも同じですが、ラミーのほうがシワが目立ちやすい傾向があります。「綿麻」「麻55%・綿45%」のような混紡は、綿が入るぶん縮みやシワがやや出にくくなります。表示の割合も、洗い方の強さを決めるときの参考になります。
表示上は洗えても家で洗わないほうがいいリネン
洗濯表示で水洗いができても、次のような服は家で洗うと形や風合いが変わりやすいので、慎重に判断してください。
- 裏地や肩パッド、芯地の入ったジャケット:表地と裏地で縮み方が違い、波打ったりつれたりする
- プリーツやしぼ加工のスカート・ブラウス:折り目やしぼが水で伸びて戻らないことがある
- 刺しゅう・ビーズ・レースなど別素材の装飾が多い服:装飾部分だけが縮んだり外れたりする
- 黒や紺など濃い色で、買って初めて洗う服:色落ちしやすく、ほかの服に色が移ることがある
このうち濃い色の服は、色落ちテスト(後述)で問題がなければ家で洗えます。裏地付きのジャケットは、表示どおりでもクリーニング店に任せたほうが仕上がりは安定します。
リネンが縮む・シワになる理由
リネンの洗濯で起きる失敗は、ほとんどが「縮み」「シワ」「擦れ」の3つです。どれも繊維の性質から起きるもので、原因がわかれば洗い方のどこに気をつければよいかが見えてきます。縮みは水を吸ったときの繊維の動き、シワは脱水と乾く途中の形、擦れは洗濯中の摩擦がそれぞれ主な原因です。逆に言えば、水温・洗う強さ・脱水の時間・干す前の形を押さえれば、多くの失敗は防げます。ここでは3つの理由を順に見ていきます。
水を吸うと繊維がふくらんで縮む
リネンは吸水性が高く、水に浸かると繊維がふくらみます。織物の糸は太くなると互いに押し合い、そのまま乾くと布全体が詰まった状態になります。これが洗濯による縮みです。温度が高いほど、洗う力や脱水が強いほど、また乾燥機の熱を加えるほど縮みは大きくなります。
とくに縮みやすいのは、防縮加工がされていない製品を初めて洗うときです。製品によっては初回の洗濯で5〜10%ほど縮むものもあるとされ、着丈70cmのシャツなら3.5〜7cmの差になります。2回目以降は縮み方が小さくなるのが一般的です。気になる場合は、購入時に「洗い加工済み」「ウォッシュド」などの表記があるかを確かめておくと目安になります。
シワは脱水と乾く途中で固定される
リネンの繊維は伸び縮みする力(弾力)が小さく、一度折れ曲がると元に戻りにくい性質があります。洗濯機の脱水で布がねじれたり押しつぶされたりすると、その折れ目が水分を含んだまま残り、乾く過程で固定されます。ドラムの中に長く放置したり、脱水後にかごの中で丸まったままにしたりしても同じです。
反対に、水分が多めに残った状態で布をまっすぐ伸ばして干せば、水の重みで生地が下に引っ張られ、シワが伸びた形で乾きます。リネンのシワ対策で「脱水は短く」と言われるのはこのためです。脱水の時間と、干すまでの早さがそのまま仕上がりに表れます。
擦れると白っぽくなる・毛羽立つ
リネンの繊維は濡れるとむしろ強くなる一方で、こすれには強くありません。洗濯中にほかの衣類やドラムとこすれると、表面の細い繊維が割れてささくれ、そこだけ白っぽく見えることがあります。濃い色の服の襟・袖口・折り目に白い筋が出るのは、この擦れが原因のことが多いです。
擦れを防ぐには、裏返してたたみ、ネットに1枚ずつ入れて、洗濯物を詰め込みすぎないことが基本です。ジーンズやファスナー付きの服など、硬い物と一緒に洗うのも避けましょう。一度割れた繊維は元に戻らないので、予防がいちばんの対策になります。
リネンを洗濯機で洗う手順
洗濯機で洗えるリネンは、ネットに入れて弱いコースで洗い、脱水を短くしてすぐ干す、という流れで十分きれいに仕上がります。ポイントは「水温30℃以下」「1枚ずつネット」「脱水30秒〜1分」の3つです。ここでは、まず洗う前にそろえる物と色落ちの確かめ方を説明し、そのあと洗濯機での手順を5つのステップに分けて紹介します。最後に、手のマークの服を洗面器で洗う場合に変わる点を補足します。所要時間は洗濯機のコースを含めて40分ほどです。
準備する物と色落ちテスト
用意する物は、洗剤・洗濯ネット・白いタオル(色落ちテスト用)の3つです。洗剤は、色柄物や服にはおしゃれ着用の中性洗剤が向いています。中性洗剤は色あせや縮みを起こしにくく、生地の風合いも保ちやすいからです。白や生成りのシーツ、ふきんなどの丈夫な物は、普段の弱アルカリ性洗剤で洗ってもかまいません。
注意したいのは蛍光増白剤です。生成りや淡いベージュ、パステルカラーのリネンに蛍光剤入りの洗剤を使うと、白っぽく色が変わって見えることがあります。洗剤のパッケージの成分欄に「蛍光増白剤」とあるものは、白い物以外では避けると安心です。ネットは服をたたんだ大きさに近いものを選ぶと、中で動きにくく擦れを抑えられます。
洗濯機で洗う5つのステップ
洗濯表示で洗濯機が使えるリネンの、基本の洗い方です。シャツ1〜2枚程度を想定しています。
シャツはボタンをすべて留め、裏返してから、ネットの大きさに合わせて軽くたたみます。裏返すと表面の擦れが減り、白っぽい筋や毛羽立ちを防げます。ポケットの中のティッシュなども、このときに確認しておきます。
たたんだ服を、ネットに1枚ずつ入れます。何枚も詰め込むとネットの中でこすれ合い、かえってシワと擦れが増えます。洗濯槽に入れる量も、容量の7割程度までにとどめましょう。
「おしゃれ着」「手洗い」「ドライ」など、洗濯機の弱水流のコースを選びます。お湯は使わず、水道水か30℃以下のぬるま湯で洗います。洗剤の量は製品の表示に従い、多く入れすぎないようにします。すすぎ残しは黄ばみの原因になるからです。
脱水は30秒〜1分ほどの短い設定にします。コースで脱水時間を変えられない場合は、脱水が始まったら様子を見て途中で止めてもかまいません。少し水が滴るくらいで取り出すと、水の重みでシワが伸びます。
洗濯が終わったら、すぐにネットから出して干します。洗濯槽の中に濡れたまま置いておくと、丸まった形のまま重みでシワが深くなります。タイマーで夜のうちに洗い終わる設定にするより、干す時間に合わせて洗うのがおすすめです。
乾燥機(タンブル乾燥)は、熱と回転で縮みとシワが一気に進むので、リネンには使わないのが基本です。ドラム式洗濯機は、洗濯から乾燥まで続けて進む設定になっていないかも確かめておきましょう。
手洗いのときに変わる点
手のマークのリネンは、洗面器やたらいで押し洗いします。洗剤液をつくって服をたたんだまま沈め、手のひらで押してはゆるめる動作を20〜30回ほど繰り返すのが基本で、もみ洗いやこすり洗いはしません。リネンで気をつけたいのは、すすぎのあとに強く絞らないことです。ねじって絞るとそのままシワになるので、軽く押して水を切るか、洗濯機の脱水を30秒ほどかけます。
洗剤の量、すすぎの回数、タオルドライのやり方といった手洗いの基本は、手洗いの記事で手順を追って説明しています。

シワを残さない干し方とアイロン
リネンの仕上がりは、洗い方よりも干し方で大きく変わります。脱水したての濡れた状態は、形を整えるのにいちばん都合のよいタイミングです。ここで縫い目や裾をまっすぐにしておけば、乾いたあとにアイロンをかける手間がかなり減ります。リネンらしいくしゃっとした風合いを楽しむなら、アイロンなしで着る選択肢もあります。ここでは、干す前の整え方、ハンガーと干す場所の選び方、アイロンをかけるときのタイミングと温度の順に説明します。
干す前に縫い目を引いて形を整える
脱水した服を広げたら、まず肩を持って2〜3回軽く振りさばき、大きなシワを落とします。次に、縫い目に沿って生地を縦・横に軽く引っ張り、縮んだ部分を伸ばします。シャツなら、襟・前立て(ボタンが並ぶ部分)・袖口・裾の順に、両手で挟むようにしてたたくと、細かいシワまで伸びます。
着丈や袖丈が縮みやすい服は、洗う前にメジャーで寸法を測っておき、干す前にその長さに合わせて引っ張ると戻しやすくなります。ただし、強く引っ張りすぎると縫い目がつれたり、生地が斜めにゆがんだりするので、少しずつ様子を見ながら伸ばしましょう。

ハンガーと干す場所の選び方
シャツやワンピースは、肩の幅に合った厚みのあるハンガーに掛けます。細い針金ハンガーだと肩に跡がつき、水の重みで肩先が出っ張ることがあります。パンツは筒状に干すと乾きが早く、ウエストを挟む洗濯バサミの跡も目立ちにくくなります。
干す場所は、風通しのよい日陰が基本です。リネンは直射日光に長く当てると色があせたり、白い物が黄ばんだりすることがあります。吸水性が高いぶん乾きも早い素材なので、夏の日陰なら2〜3時間で乾くことも多く、部屋干しでも比較的乾きやすいほうです。乾かしすぎると生地が硬く感じられるため、乾いたら早めに取り込みましょう。
部屋干しで乾きが遅いときの工夫は、洗濯物が乾かない原因をまとめた記事が参考になります。

アイロンは半乾きのうちに裏からかける
リネンのアイロンは、完全に乾く前の、少し湿り気が残っているうちにかけるとシワがよく伸びます。乾ききってしまった場合は、霧吹きで全体を軽く湿らせてからかけます。温度はアイロン記号の点の数で決め、点が3つなら高温(200℃まで)、2つなら中温(150℃まで)が上限です。
濃い色のリネンは、表から高温を当てると生地がてかって光ることがあります。裏返して裏からかけるか、表からかけるときは当て布をしましょう。アイロン台に置けない場合や時間がない場合は、ハンガーに掛けたまま、スチームを生地から少し離して当て、手で軽く引っ張って伸ばす方法もあります。着る前日に霧吹きをして一晩吊るしておくだけでも、細かいシワはある程度落ち着きます。
アイテム別の洗い方のコツ
洗う手順の基本はどのリネンでも同じですが、アイテムによって気をつける場所が変わります。シャツは襟と袖口、パンツやワンピースは丈とウエストまわり、シーツや布団カバーは大きさゆえの乾かし方、ふきんは汚れとにおい、というように、失敗しやすいポイントが違うからです。ここでは、よく洗うリネンを4つに分けて、前の章の手順に足したい点だけを紹介します。迷ったときは、次の表で全体像をつかんでから各項目を読んでください。
| アイテム | 気をつける場所 | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| シャツ・ブラウス | 襟・袖口の汚れ、前立てのシワ | 襟をブラシで強くこする |
| パンツ・ワンピース | 丈の縮み、ウエストのゴム | 乾燥機にかける |
| シーツ・布団カバー | 乾きむら、全体のシワ | 1本の竿に二つ折りで掛けたまま放置 |
| ふきん・キッチンクロス | 油汚れ、生乾きのにおい | 色柄物に塩素系漂白剤を使う |
シャツ・ブラウス
シャツで汚れがたまりやすいのは、襟と袖口です。洗う前に、おしゃれ着用の中性洗剤を原液のまま少量つけ、指の腹で軽くなじませてから5分ほど置き、そのあとネットに入れて洗います。ブラシでこすると、その部分だけが擦れて白っぽくなるので避けましょう。
干すときは、ボタンを上から2〜3個だけ留めると前立てがまっすぐになり、形が安定します。襟は立てて両手でたたき、袖は縫い目をそろえて軽く引っ張っておきます。このひと手間で、アイロンが襟と前立てだけで済むことも少なくありません。
パンツ・ワンピース
パンツやワンピースは、丈の縮みが目立ちやすいアイテムです。とくに裾が床に近い長さの服は、1〜2cm縮むだけで印象が変わります。初めて洗う前に丈を測っておき、干す前に裾を下へ軽く引いて長さを戻しておくと安心です。
ウエストにゴムが入っている物は、ゴムの部分が乾きにくく、リネン部分との縮み方の差で波打つことがあります。ゴム部分を指で伸ばしながら形を整え、ピンチハンガーで筒状に干すと、全体が均一に乾きます。ワンピースは重さで肩が伸びやすいので、肩幅に合ったハンガーを使い、乾いたらすぐに取り込みます。
シーツ・布団カバーなどの寝具
リネンのシーツや布団カバーは大きいため、洗濯機に入れるときはじゃばら状にたたんで大きめのネットに入れると、からまりやねじれを防げます。白や生成りの物は丈夫なので、洗濯表示が許していれば標準コースでもかまいません。カバー類はファスナーを閉め、裏返してから洗います。
干すときは、物干し竿を2本使って「M字」に掛けると、布と布の間に風が通り、中まで早く乾きます。竿が1本しかない場合は、二つ折りにせず端をずらして掛け、途中で表と裏を入れ替えましょう。リネンは汗をよく吸い、乾きやすいので、夏場は週に1〜2回を目安に洗うと気持ちよく使えます。
ふきん・キッチンクロス
リネンのふきんは、水をよく吸ってすぐ乾き、拭いたあとに糸くずが残りにくいのが特長です。使ったあとはその日のうちに洗い、広げて乾かすのが基本です。濡れたまま丸めて置くと、雑菌が増えてにおいの原因になります。
油汚れやにおいが気になってきたら、40〜50℃ほどのお湯に酸素系漂白剤を製品の表示どおり溶かし、30分〜1時間つけ置きしてからすすぎます。塩素系漂白剤は白い物でも繊維を傷めやすく、色柄物は色が抜けるため、使うなら漂白の洗濯表示を確かめてからにしてください。塩素系と酸性の洗剤(クエン酸や酢など)を一緒に使うと有毒な塩素ガスが出るので、同時に使ったり続けて使ったりしないことも大切です。
縮んだ・色落ちした・ゴワついたときの対処
気をつけて洗っても、リネンは縮みや色の変化が起きることがあります。ただ、軽い縮みや生地のこわばりは、家で戻せる場合も少なくありません。一方で、擦れて白くなった部分や大きく色が抜けた部分は元に戻すのが難しいため、ほかの服に影響が広がらないようにすることが大切です。まずは下の表で症状ごとの原因と対処を確認し、そのあと縮み、色の変化、ゴワつきと黄ばみの順に、もう少しくわしく説明します。
| 症状 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 丈・身幅が縮んだ | 高い水温、強い脱水、乾燥機 | 湿らせて少しずつ引っ張る、スチームで伸ばす |
| ほかの服に色が移った | 濃い色のリネンと一緒に洗った | 乾かす前にすぐ洗い直す |
| 擦れて白っぽくなった | ネットなし、詰め込み、硬い物と一緒 | 戻すのは難しい。以後は裏返して単独で |
| 生地がゴワゴワする | 乾かしすぎ、洗剤のすすぎ残し | すすぎを1回増やし、軽く湿らせてもむ |
| 白いリネンが黄ばんだ | 皮脂汚れの残り、日光 | 酸素系漂白剤でつけ置き |
縮んだときは湿らせて少しずつ伸ばす
リネンが縮んだときは、もう一度水に浸して全体を湿らせ、脱水を30秒ほどかけてから、縮んだ方向に少しずつ引っ張って形を整えます。そのまま干して、半乾きのうちにスチームアイロンを当てながら、さらに手で伸ばすと効果的です。着丈なら裾を下へ、身幅なら脇の縫い目を左右へというように、縫い目に沿って引くのがコツです。
ただし、戻せるのは数%程度の軽い縮みまでと考えておきましょう。乾燥機の熱で大きく縮んだ物や、繰り返し縮んで生地が詰まった物は、元のサイズまでは戻らないことが多いです。強く引っ張りすぎると縫い目がほつれたり、生地が斜めにゆがんだりするので、一度で戻そうとせず、何回かに分けて様子を見ます。レーヨンのように縮み方が大きく違う素材が混ざっている服は、レーヨンの洗濯の記事も参考にしてください。

色落ち・色移り・白化したとき
濃い色のリネンと一緒に洗ってほかの服に色が移ったときは、乾かさずにすぐ洗い直すのが基本です。乾いてしまうと色が定着し、落ちにくくなります。白い綿やリネンに移った場合は、漂白の洗濯表示が許していれば、酸素系漂白剤のつけ置きで薄くなることがあります。色移りした服が色柄物なら、漂白剤で柄の色まで抜ける恐れがあるので、色落ちテストをしてから試してください。
擦れて白っぽくなった部分(白化)は、繊維そのものが割れているため、洗い方で元に戻すことはできません。目立つ場合は、それ以上広がらないように、次回から裏返してネットに入れ、単独で洗うようにします。濃い色の服は、色落ちが落ち着くまでの数回は単独で洗うと安心です。
ゴワつき・黄ばみが気になるとき
リネンは洗うたびに繊維がほぐれて、少しずつやわらかくなっていく素材です。それでもゴワつく場合は、乾かしすぎか、洗剤のすすぎ残しが原因のことが多いです。すすぎを1回増やし、乾いたらすぐに取り込むようにしましょう。すでにゴワついた物は、霧吹きで軽く湿らせてから手でもむようにほぐすと、手触りが戻りやすくなります。
柔軟剤は使ってもかまいませんが、入れすぎると吸水性が落ち、リネンのさらっとした感触が弱くなります。使うなら規定量か少なめにしましょう。白いリネンの黄ばみは、落としきれなかった皮脂汚れが時間とともに酸化したものが中心です。40〜50℃のお湯に酸素系漂白剤を溶かして30分〜2時間ほどつけ置きし、そのあと通常どおり洗うと目立ちにくくなります。
よくある質問
- リネンは乾燥機にかけてもいいですか?
-
おすすめしません。乾燥機の熱と回転で、縮みとシワが大きくなりやすいからです。洗濯表示にタンブル乾燥のバツがある場合はもちろん、ない場合でも、服は自然乾燥にするのが無難です。急ぐときは、扇風機やエアコンの風を当てて部屋干しにします。
- リネンの服はどのくらいの頻度で洗えばいいですか?
-
肌に直接触れるシャツやブラウスは、夏場なら1回着るごとに洗うのが目安です。リネンは汗をよく吸うので、汚れを残したまましまうと黄ばみの原因になります。上に羽織るジャケットやパンツは、2〜3回着たら洗う程度で十分です。
- 洗うたびにやわらかくなるのは本当ですか?
-
はい。リネンは洗濯を繰り返すうちに繊維がほぐれ、ハリのある手触りから、しなやかでやわらかい風合いに変わっていきます。これはリネンならではの経年変化で、傷んでいるわけではありません。ただし、擦れによる白化や毛羽立ちは傷みなので、洗い方には気をつけましょう。
- リネンに漂白剤は使えますか?
-
洗濯表示の三角のマークで確かめます。三角にバツがなければ酸素系漂白剤は使え、色柄物にも使いやすいです。塩素系漂白剤は、三角の中に斜線がない表示のときだけ使えますが、白い物でも繊維を傷めやすいため、普段は酸素系を選ぶほうが安心です。
- 家で洗うかクリーニングに出すか迷ったら?
-
洗濯表示で水洗いができ、裏地や芯地がなく、色落ちテストで問題がなければ、家で洗えます。裏地付きのジャケット、プリーツなどの加工がある服、洗濯表示に水洗い不可のバツがある服は、クリーニング店に任せましょう。ドライクリーニングの仕組みや出し方は、ドライクリーニングの記事でまとめています。

まとめ|リネンの洗濯は「弱く洗って短く脱水、すぐ干す」
リネン(麻)は水に強い素材で、洗濯表示で水洗いができる物なら家で十分きれいに洗えます。縮みは水温と脱水の強さ、シワは脱水後の形、白っぽい擦れは洗濯中の摩擦から起きるので、それぞれの原因を手順の中で一つずつ抑えていくのがコツです。干す前に形を整えておけば、アイロンの手間も減らせます。
- まず洗濯表示を確認し、裏地付き・プリーツ加工の服はクリーニングへ
- 裏返してネットに1枚ずつ入れ、弱いコース・30℃以下で洗う
- 脱水は30秒〜1分。終わったらすぐ取り出し、縫い目を引いて形を整える
- 風通しのよい日陰に干し、アイロンは半乾きのうちに裏から
- 乾燥機は使わず、漂白は酸素系を基本にする
次にリネンを洗うときは、干す前に襟と裾を両手でたたいてみてください。それだけでも、乾いたあとのシワの量がはっきり変わります。
